11月9日、都内で行われタ来日記者会見には主人公メロノ役を演じたマイナ・マコ、その親友ロモトゥーン役を演じたパルカシオ・ムンテット、そしてパスカル・プリッソン監督が会場に現れた。
本物のマサイ族である彼らは鳥のように優雅なジャンプ、8.0を超える驚異的な視力、平均体脂肪率3%という人類で最も美しい肉体、息をのむほどにゴージャスな装身具、そして神秘的な儀式と習慣から、“サバンナの貴族”と呼ばれている。パスカル監督は12年にもわたり彼らの村に通い、信頼関係を築き、世界で初めて映画撮影の許可を得て本作を完成させた。作品の最大の挑戦はマサイの人たちへの演技指導。誇り高き戦士である彼らには元来、「弱者」という概念が存在しないため、その「弱者」を演じることを説明するのは至難の技。かつあくまで演じるのは空想上の人物であると説明するのは困難を極めたという。撮影隊が入るまでカメラも見たことがなかった彼らとの映画撮影はどのようなものだったのか。

マナイ:「演じることは大変だったが、監督・スタッフに対する尊敬彼らの私たちに対するリスペクトで演じきることができました。テレビや映画などは私たちの生活の中にはないので、その全く新しいものに参加できたことに感動しました。」
パルカシオ:「ファイティングシーンが特に難しかったです。暑い中でずっと撮影していて、普段の私たちは暑いとそこで寝っころがったりするのですがずっと演じ続けることは大変でした。はじめは映画というものにピンときていなかったけど実際に観て、それはリアルだということを痛感しまた。」
キャスティングではオーディションを行い、300人(!)の人が集まったという。しかし映画のためのオーディションとわかって来ている人はほとんどいない状態で、一週間かけてオーディションを行い合宿して演技ができる人材を育てた。パスカル監督は撮影を通しての彼らの印象をこう語った。
パスカル監督:「映画を撮った後でより彼らについてわかったことは彼らの中には友情という強い概念があり、その心の温かさだ。当初ラストシーンは幼きマサイの戦士が一人で立ち向かっていく予定だったが、本物のマサイはそんなことはしない、みんなで立ち向かうといって彼らの助言で変更されることになったんだ。」

そして会場には特別ゲストとしてファッションデザイナーの山本寛斎氏が登場!寛斎氏によって特別にコーディネートされた衣装をまとい再び現れたマサイの戦士たち。昔の日本の武士をモチーフにした寛斎氏らしいアヴァンギャルドな衣装を華麗に着こなしていた!マナイ氏は国外初体験ということで、今まで見たことのないものたちに目をきょろきょろさせていたのが印象的だった。誇り高き彼らがスクリーンでどのように活躍するのか、そこのあなたも目をきょろきょろさせながらじっくりと見てみてはいかが?

(ようふまさこ)

※2006年お正月テアトルタイムズスクエアでロードショー

□作品紹介
マサイ