初雪が降った日のソウル、大学の美術講師ムノ(ユ・ジテ)は、学生時代の先輩でアメリカ帰りの映画監督ホンジュン(キム・テウ)と久しぶりに再開する。昼間から酒を酌み交わすうち、以前二人と付き合っていた女ソナ(ソン・ヒョナ)の話で盛り上がる。勢いで二人は7年振りに彼女を訪ねることに。ソナを前に、互いを出し抜こうとする懲りない男たち。そんな二人に悪びれることなく応えるソナ。“終わった恋”のはずなのに…
3人の思惑が微妙に絡み合う。果たして、ソナは彼らの“未来”になるのだろうか?

10月29日、新宿武蔵野館にて初日舞台挨拶が行われた。会場にはキム・テウ(ホンジュン役)が登場。「日本で完成した作品を観てもらえて嬉しいです」と話した。もともとホン・サンス監督の作品のファンで、出演依頼が来たときは嬉しかったとのこと。作品中、留学前と留学後の7年間の差を表現するため、約20キロ体重を増やしたとのこと。「留学前は幼さを出すため体重を増やしました」

恋愛における男女の生の姿をシニカルな観察眼で切り取り、エスプリ豊かなセリフで軽やかに綴る作品がフランスで大絶賛され、“韓国のゴダール”“エリック・ロメールの従弟”などと形容されているホン・サンス監督。独特のライブ感覚を生み出す作風は「ホン・サンス式」と呼ばれている。その固有の撮影スタイルについて「撮影当日の朝に、シナリオが出来て、ミーティングをしてから撮影となります。シナリオが出来るといっても、セリフの部分だけで、話の流れは事前に決まっている通りなので、読んでビックリするということはありません。(笑)ワンシーンをワンカットで撮ることが多く、ミスをすると撮り直さなければいけなくなるので、俳優達は集中力が必要となります」また、撮影中にお酒を飲むということについて、「酔っ払っている雰囲気を出すためにお酒を飲むことは確かですが、実際に脚本と同じ量を飲むわけではありません(笑)」
最後に、「劇場に来て貰えて嬉しいです。また皆さんに会えるのを楽しみにしています」と締めくくった。
(t.suzuki)
☆10月29日より新宿武蔵野館にてロードショー!

□作品紹介
『女は男の未来だ 』