『殺人の追憶』『初恋のアルバム』の好演で、日本での人気も高まりつつあるパク・ヘイルの初主演作である『嫉妬は我が力』がヤマハホールにて開催中の「コリアン・シネマ・ウィーク2005」にて上映された。
恋人を文芸誌の編集長に奪われ失恋した主人公が、新たな恋人をも編集長に奪われそうになったり、ヤケクソで関係してしまった下宿屋の娘に結婚を迫られ会社に押しかけられたり、それでも編集長を憎むことができずむしろ彼に気に入られてしまいまんざらでもなかったりする、一体なにがしたいんだ?という若者特有のイライラと思い通りに物事が進まず焦燥が募るパク・ヘイル演じる主人公ウォンサンと、小説家くずれでどうしようもない女好きだが大人の哀愁を匂わす編集長の「若造と中年」の構図をテーマにしたちょっと変わった作品だ。
上映後、会場には監督のパク・チャノクがティーチインに登場し、「この作品は公開当時韓国でそんなにヒットせず、きっと観客はこの映画をみて怒ってしまったんでしょうね…」と開口一番ぎょっとする発言。主人公の今後が気になります。という観客からの質問にも、「案外うまく世渡りしていくのかもしれませんし、それともすごく酷い目にあうのかもしれません。」と飄々と発言した後、「それよりも、私自身がしっかり生きていかなければと思っています。」とつづけるのだから会場は大爆笑。監督は緊張しているのか素なのかいたってポーカーフェイスでしれっとした語り口が魅力的な女性だった。

□作品紹介
『嫉妬は我が力 』

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『コリアン・シネマ・ウィーク2005』