2005年10月24日(月)〜28日(金)で開催されている駐日韓国大使館 韓国文化院の主催による東京国際映画祭・共催企画≪コリアン・シネマ・ウィーク2005≫も今年で5年目を迎える。今回の≪コリアン・シネマ・ウィーク2005≫では、〈現代韓国女性監督特集〉と題して、韓国映画界で目覚しい活躍を見せている韓国女性監督が製作した日本未配給の秀作5作品を一挙公開!!

本日は『バス、停留場』という作品が上映され、会場には韓国映画好きな観客たちが押し寄せ賑わいをみせていた。
上映後、本作の監督イ・ミヨンと主演男優キム・テウが舞台上に登壇すると観客たちは歓迎ムードで拍手喝采。熱狂的なファンからは花束が差し出されるという光景も。

観客から“なぜあなたは大作は選ばず、このような渋い作品選びをするのでしょうか?”と聞かれるとキム・テウは「私、大作では『JSA』をやっていましたけど…(笑)本来ならラブストーリー系大作など色々あるんでしょうけど、俳優キム・テウではなく人間キム・テウとしてこの作品は選んだのです。」と言うと客席からは拍手が!しかし、「今後は大作もやっていきたい!」とキムがおどけて見せると一気に会場は和やかな雰囲気になり、その後も女性監督の作品に出演してみての感想を聞かれると「女性監督だからといって今までのものと大きく違うかといったらそんな事はないです。俳優のやる事としては特に変わりはないですよ。でも、女性はやはりより繊細なものを描くなぁとは思いました。彼女と一緒に仕事をして、とても楽しかったし、また女性監督とやりたい!」と強くアピールをするなどキムの新しい面を見せた。
イ・ミヨン監督はそんなキムに微笑みながら「キムは傷つくかもしれないけど、本作は最初キム・テウはキャスティングに入っていなかったんです。韓国ではキャスティングがとても難しくて…。でもなんだかんだでキムに決まったんです(笑)彼とは作品に対する論議なんてものはあまりしなかったけど、自分をさらけ出すような難しい演技でも、とても素晴らしく演じてくれたので良い俳優さんだなと思いました。でも、こんな地味な作品ばかりに出演してていいの?私の方が心配になっちゃう…(笑)」と、とても仲の良いコンビぶりを発揮させていた。
そして最後にイ監督は、「私自身、韓国映画が今すごく人気がある中で、何か考えさせられるような映画作りをしたいと思ったんです。それが自分の役割だと感じたんです。」という力強い言葉で締めくくった。

【STORY】『バス、停留場』
過去の恋人や周りの人々に嫌気を感じ、売春婦以外に出会いがない32才の塾講師・ジェソプ。一方、援助交際をしている塾の教え子で17才の女子高生・ソヒ。近所に住む二人は駅やバス停で出会い、次第に親しくなるが、虚しい日常の中で互いに寂しさを口に出すことすらできず…。心に深い傷を持つ男女のラブ・ストーリー。

(菅野奈緒美)
□作品紹介
『バス,停留場 』

◇「コリアン・シネマ・ウィーク2005」に関する最新情報は韓国文化院HPでチェック!!
『コリアン・シネマ・ウィーク2005』