東京国際映画祭2005:パウロ・コエーリョ作品、世界初の映画化! 『ベロニカは死ぬことにした』
“私の世界にはなんでもあるけどなんにもないの”
世界120カ国以上で翻訳され、各国でベストセラー入りを果たし、セレブの愛読者も多い人気作家パウロ・コエーリョ。彼の代表作「ベロニカは死ぬことにした」は日本でも20万部を突破、ある若い女性の絶望と再生の物語は読者を虜にしている。そして世界で初めてその代表作が映画化された。
主人公トワ役に若手女優・真木よう子、傷ついた彼女を癒すクロード役に韓国若手俳優イ・ワン、監督は『渋谷怪談』『グローウィン グローウィン』の新鋭・堀江慶。
第18回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門正式出品された『ベロニカに死ぬことにした』のティーチインが、監督を招いて上映終了後に行われた。
上映終了後は拍手喝采で、監督は少し緊張した面持ちで皆の前に姿を見せ、「以前から東京国際映画祭には観客として来ていましたが、今日はこちら(制作者側)に立っているので興奮してます!昨夜から…(笑)。とても嬉しい。スタッフ&キャストの方々に感謝します。」と語った。
その後は、観客との質疑応答タイムが設けられ沢山の質問が飛び交った。
Q.世界的ベストセラーになったこの原作を映画化する事になったキッカケは?
堀江監督:「本作の前に撮った『全身と小指』という作品を色々な人に観てもらっていた時に本作『ベロニカは死ぬことにした』のプロデューサー&脚本の筒井ともみさん(『失楽園』(脚本)『阿修羅のごとく』(脚本))に目を留めてもらい、キャリア的にはまだまだ早いと思いますが、きっとそれで起用して頂けたのかな?と思います。」
Q.ベストセラーの原作を映画化する事についてプレッシャーは?
堀江監督:「そこまでプレッシャーは感じませんでしたが、僕はずっと自主映画をやってきて、自主映画なら好きなようにできるんですが、今回は原作&脚本の世界観をいかにファンに壊さず伝えられるか、というのを考えつつ撮影しました。だからとても責任のある仕事だと感じましたね。原作の良さを消化するのに時間がかかってしまいましたが、最終的には自分の求めるものを超えた、自分の世界が広がったと思っています。こうやって映画は面白くなっていくのか、と実感しました。」
ちなみに今回東京国際映画祭で上映されるものは、劇場公開されるものと音楽のバージョンが違うとの事。今のバージョンは、今日と27日しか観る事ができないという事である。「違うバージョンのものは来年お披露目なので、その時に新しいバージョンでお会いしましょう」と監督。今度は笑顔で語っていた。
※2006年陽春、恵比寿ガーデンシネマにて公開予定
(菅野奈緒美)
◇作品紹介
『ベロニカは死ぬことにした 』
◆東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/index_j.html