第18回東京国際映画祭、特別招待作品『春の雪』の記者会見が都内で行われた。記者会見場には行定勲監督、主人公・松枝清顕役の妻夫木聡、清顕の親友・本多繁邦役の高岡蒼佑、洞院宮治典王役の及川光博が登場した。

三島由紀夫作品文学の中でも最高のラブストーリーと賞賛され、これまで日本はもとより海外の名将たちからも映画化のオファーが殺到しながら実現することのなかった名作が映画化されるにあたって、本作ではウォン・カーウァイ監督『花様年華』など数々の名作に参加した撮影カメラマン・李屏賓が参加している。制作にあたっての気持ちを行定監督は次のように述べた。「日本の美を意識して映像世界に取り組み、その在り方を映画を通して考え直すことができたらいいなと思いました。日本の映画を国内の観客が観るという在り方はずっと前から目指してきたことで、そのためにはいろいろな角度から世界を見せなければならない。アジアとの融合でちょっとでも日本映画を進化させられたのではないかと思います。そのことはとても満足です。」
行定監督の描き出す日本の美とは何なのか。「大正時代の豪華絢爛というイメージを超越する何かがほしかった。それは海外からの目だと思ったんですね。外から見たまた新しい日本の美の風景を描き出せたと思います。」

主演の妻夫木は行定監督とは『今日のできごと』(04)などでも顔を合わせている。「今まではゆったりした感じのものが多くて、そばに監督のにやにやした笑顔があったという感じ(笑)今回のは1カット1カット大事に撮っていこうという現場で、安心して楽しくできました。役作りに関してはいろいろ考えて考えて、現場で一回白紙に戻すというやり方でやっています。今回もいろいろ考えたけど現場に行ったらすごくピュアになれて自然と清顕の気持ちに入れました。」と撮影の雰囲気を語った。
 役作りに関して親友・本多役の高岡はこうコメントしている。
「前作『パッチギ』とは180度違う役だから逆に楽しんでできました。大正時代の話し方というのがあって僕自身はダラダラ喋るからそこに気をつけることが大変でした。」

 そして!記者会見当日がお誕生日であったミッチーこと及川は、「行定組に入れて嬉しかった!セリフのない中、立ち振る舞いなどでどれだけ説得力を持たせられるかが大変でした。日本文学は個人的にも好きで、世界に誇れるものだと思っている。映像化されることは嬉しいのでこれからも期待しています!」と語った。
徹底的にこだわった映像世界の仕上がりに、監督もキャストも満足の色を隠せないでいるといった雰囲気だった。
日本人として日本の美を改めてこの映画で確認すべし!

(ようふまさこ)

□作品紹介
春の雪