「赤ずきん」「白雪姫」「眠れる森の美女」など、今も世界中で愛され続けているグリム童話。
あなたはいくつご存知だろう?
本作『ブラザーズ・グリム』には、未だかつて描かれた事がないグリム童話の恐るべき真実と謎が混在し、誰も見た事がない驚愕のファンタジーワールドが広がっている。
アーレン・クルーガーの大胆で、独創的なシナリオにほれ込んで映画化を決意したというギリアム監督。誰もが知るグリム童話を、独自の観点で最新のVFXを駆使し作り上げたこのエンタテインメント大作は、間違いなく監督・テリー・ギリアムの代表作となる事だろう。

舞台挨拶では天才テリー・ギリアム監督が登壇。本作が7年振りの新作とあって待ち望んでいたファンも多いのではないだろうか?
ギリアム監督は、超満員になった客席を見渡し驚きの表情を隠しきれない様子で、拍手喝采の場内の雰囲気を一層高ぶらせるかのように、スクリーンの端から端までを思い切り駆け抜け“もっと!もっと!”と観客たちを煽る。その姿はまるで無邪気な子供のように見えたが、そこがギリアム監督の魅力なのだろう。
ギリアム監督は、本作についてこだわりの点を聞かれると「全てにこだわりましたよ。本作を観て頂ければわかると思います。本作はファンタジーでとても神秘的な世界が展開しているので、そんな世界にすうーっと皆さんが入り込みやすいものにしたかったんです。だから1回のみならず、2回、3回と観にきてほしいです。常に何度でも観たくなるような作品作りを心がけていますので。そうすればもっと稼げますし!」と、でだしからジョークで飛ばす監督は既に観客の心を鷲掴み。キャストについては、「3人とも(マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ)素晴らしい!私はいつも素晴らしい俳優・楽しい俳優としか一緒に仕事をしません。だからいつもそういう方を探してます。今回、マット・デイモン&ヒース・レジャーという事で女性は大いに楽しめるのでは?男性の方は、モニカ・ベルッチも出演していますのでこれまた楽しめるのではと思います(笑)」とおちゃめに笑いながら語った。

最後にギリアム監督はこう語った。「できるだけ目をずぅーと開いていて!乗り物に乗ったような気持ちになって、おとぎ話にどっぷりと浸かってほしいです。本作を観て死んだ人は今のところいないので安全です!」

そんなギリアム監督が描き出した圧倒的イマジネーションの世界にあなたはぐんぐんと引き寄せられることだろう。
グリム童話の誕生を巡る最高にパワフルで謎めいた冒険の旅にいざ!

(菅野奈緒美)

◇作品紹介
『ブラザーズ・グリム 』

□東京国際映画祭
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