「楽しんでいただけなければ、作った意味がございません。」
日本映画界の名俳優津川雅彦改めマキノ雅彦監督は、自身第一回監督作品『寝ずの番』の舞台挨拶にてこう言い放った。

場所は上方落語界の重鎮・笑満亭橋鶴(長門裕之)のお通夜の席。家族が集まり、出るわ出るわの馬鹿げたはちゃめちゃ爆笑エピソード!
ちょっとえっちな落語家一家の人情ストーリーが、マキノ雅彦監督の絶妙な笑いのセンスと豪華キャストの名演技で彩られ、珠玉の一本となって語られる。
袴姿で登場した橋太役の中井貴一は「僕はまだは作品をみてません(会場失笑)。作中のセリフがどんな風に英訳されるのかとても楽しみです。楽しんでご覧になってください。」と語った。橋太の家内役木村佳乃は、マキノ監督の撮影中の爆笑エピソードを話してくれた。「カメラさんも証明さんも音声さんも準備バッチリで、緊張感たっぷりの中、いつまでも用意スタートの声がかからなくてみんなとまどっていると、助監督さんの『監督!お願いします!』っていう声がよくかかっていました(笑)。いつも、言われる側だから忘れてしまっていたみたいですね。でもそのおかげでリラックスして取り組めていたと思います。」
会場には、俳優の角野卓造と渡辺謙もかけつけ今作品への期待が窺われた。
最後に、マキノ雅彦監督は「65歳にして始めての監督作品です、ストーリーはないですが、ドラマあり喜劇ありのこの作品を心ゆくまでお楽しみください。」と会場いっぱいの観客に笑顔で話してくれた。

(ハヤシ カナコ)

◇作品紹介
『寝ずの番 』

□東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/index_j.html

2006年春 シネスイッチ銀座ほかにて全国ロードショー!