第62回ベネチア国際映画祭で異例のサプライズ上映という形式で招待され、ワールドプレミア上映となった『TAKESHIS‘』のジャパンプレミアが10月20日都内某所で行われた。

『TAKESHIS‘』は『ソナチネ』(93)が完成した頃から温め続けてきたアイディアをさらに熟成させ、構想12年、12作品目にして完成された。世界の北野が放つ今度の映画は一筋縄ではいかないものとなっている。
映画監督もこなし、リッチな生活を送る芸能界の大スター、ビートたけし。一方コンビニの店員で売れない役者として苦闘中の北野武。偶然にも“たけし”が“たけし”に出会い、幻とも現実ともつかないファンタジーの世界が繰り広げられていく。

共演には北野作品にはおなじみの大杉連、岸本加世子、寺島進などが顔を揃え、そしてたけしの愛人役には京野ことみ、大物歌手役として美輪明宏が本人役として出演している。多彩な共演者の名演、怪演もこの映画の注目どころだ。

舞台挨拶には北野武監督、岸本加世子、大杉連、そしてビートきよしが登壇した。
Qこの映画について一言。
北野監督:「もう良いとか悪いとかじゃなくて、何すんだ?っていうような映画。座頭市で儲かったから好きな映画を撮らせてもらった(笑)」    

Q今回共演者の北野監督に対しての印象は?
岸本:「クランクインしてから北野監督に胸騒ぎがしていたんですよ。穏やかなところは変わらないんだけどいつもと違う、言葉にできない感じがして、緊張しました。」
大杉:「いつもの独特の撮影現場の雰囲気は変わらないけど、なにかこの『TAKESHIS‘』は2005年版北野監督と宇宙旅行に一緒に行ったような気分でしたね。」

そして実はのっけから‘コケ’合いで会場を沸かせてくれた“ツービート”。ビートきよしさんにコメントがふられると気づいたら二人の“掛け合い”に!!
きよし:「(役作りについてはどうでしたか?という質問に)一人で何役もやることについては大丈夫かなと思いましたが・・・。」
北野監督:「お前は何役もやってねーじゃねぇか!」
とツッコまれたり、最後にキャストを代表してビートきよしさん、一言お願いしますと言われると
きよし:「ではみなさんこの映画がヒットするように最後一本締めで!」
北野監督:「これから公開なのに一本締めてどうするんだよ!」
きよし:「じゃあ何本締めならいいですかね?」(会場爆笑)

二人の掛け合いもさることながら映画は次々と新しい局面を私たちに見せてくれる。北野監督いわく「映画は狂ってる。俺は大傑作だと思っているけど。」北野ワールド全快にして今までに見たことのない、新しい感覚をきっと体験できるはず。

(ようふ まさこ)

*11月5日(土)より全国ロードショー

□作品紹介
TAKESHI’S