“華流”だの“台流”だのいう言葉が聞かれるようになった昨今。新しい台湾映画の到来を感じさせるポップで愛らしい映画『僕の恋、彼の秘密』の主演俳優トニー・ヤンが、去る10月9日、初の来日記者会見を開いた。
『僕の恋、彼の秘密』は、17歳の夏休みにステキな“彼氏”との恋を夢見て台北にやって来た純朴少年ティエンと、プレイボーイのパイの恋を描いたラブコメディ。つまり、一応、ゲイムービーになる。だが、撮影当時23歳(現在25歳)の女性監督D.J.チェンの軽やかな感性とフレシュな俳優陣の魅力でゲイもストレートも関係なし、若年層を中心に台湾では2004年上半期の台湾映画ナンバー1ヒットを記録した。主演のトニーも、本作で一躍人気スターとなったばかりか、中華圏でも名立たる映画賞のひとつ・台湾金馬奨で最優秀新人賞を受賞している。
 会見場に現れたトニーは、スクリーンでの愛らしさとは打って変わって髪もより短く、ヴィトンのスーツに身を包み、男らしく落ち着いた物腰。役柄はゲイだったが、本人はストレートでやはり女性に魅力を感じるそう。最初に脚本を読んだときは
「やっぱりゲイの映画ということで気まずいというか……監督から『これは同性愛を扱った映画だと考えないで、あくまでもラブストーリーなのよ』と言われて脚本を読み直してみて、ひじょうに楽しいし甘酸っぱい映画だと思うようになった」
のだとか。役作りではゲイムービーなどは参考にせず、周りにいる女の子たちを観察した。
「恋愛中の女の子っていうのは、すごく心が敏感ですごく脆くなっていて、本当に些細なことに喜んだり悲しんだりしているんだなと思いました。でも、そういうときの女の子は、ものすごく魅力的だし綺麗。いつも微笑んでいたりとか、そういうところが魅力的です。(役作りには、彼女たちの)心情だけじゃなくて、細かな動きも取り入れました。特に好きな相手と会っているときの恥かしそう仕草とかそういうのを取り入れたつもりです」
 役作りのために女性を観察して女性観も変わり、特に以前は理解できなかった恋愛中の女の子の行動が理解できるようになったとも。
 相手役のダンカン・チョウ(「セブンソード」ムーラン役)については
「彼は、すごくプロフェッショナルな人で、演技に対してもすごくこだわりがある。素晴らしい俳優だと思う。役者として好きです」そして、ダンカンとのキス・シーンについては「彼はキスするとき激しくて、ヒゲがちょっと濃いので痛い」と告白。
 会見の後半では、乙女心代表ということでタレントで漫画家の山咲トオルが、花束とトニーの似顔絵を持って登場。
「(会ってみて、彼は)私より13歳年下なんですよ。なのに、男としての落ち着きがある。ステキなナイスガイですよ」とべた褒め。「どうして私が呼ばれたのかなと思って。映画を見てその答えが本当によくわかったのですけど、同性愛をテーマにした恋愛映画にはナーバスになってしまうものが多いのに、こんなにライトでハッピーで悲喜こもごもがはいっているのはとても素晴らしいなと思いまして。私は、トニーくんが演じた役柄に清潔感を覚えました。すばらしい恋愛映画として感動しました。お友達に勧めたいと思う、今年下半期ナンバー1の映画よ」と援護射撃につとめていた。

(K.INAMI)

※『僕の恋、彼の秘密』は、12月新宿武蔵野館ほか、全国順次ロードショー

◇作品紹介
『僕の恋、彼の秘密』