「大人が大嫌い」そんな子供たちがたくさんいるという。子供たちは、本気で自分と向かい合ってくれる大人たちと出会えないがために子供だけの閉鎖的な社会を作り上げ、引いてはそれがイジメや不登校につながっているという事実がある。子供たちのゆめはどこにいってしまったのか?いまわたしたちはなにをするべきなのか?本作は、ベストセラーとなった自伝「不良少年の夢」の映画化。親からも学校からも見放された一人の不良少年(ヤンキー)義家弘介の成長を映し出しながら、”本当の教育とは何か?”という、「教育の原点」に疑問を投げかける意欲作である。

 本日ポレポレ東中野にて初日を向え、映画パーソナリティーの伊藤さとりさんの司会の下、花堂純次監督、松山ケンイチさん、真野響子さん、伴杏里さんが登壇。上映前、満員御礼のうちに舞台挨拶を行った。

 花堂監督は、「やっと初日を迎えることが出来てうれしいです。(義家さんに)最初に出会ったのはおととしの冬。いまでも月1くらいで彼とは飲んでいますが、本当にヤンキーなんです。教師をやっていなければヤクザになっていましたね。(笑)いつも気合が入っていて、それがまっすぐなエネルギーになっている人です。」と、原作者の義家氏とのエピソードを紹介した。その義家氏を演じたのは『NANA』、『リンダリンダリンダ』など立て続けに話題作に出演し、次回作も大作『男たちのYAMATO』が控える人気急上昇中の松山ケンイチさんである。主演をつとめた感想を「撮影前から思ったいたのですが、義家さんは目が合うと話せなくなってしまうくらい目の強い人。その熱を伝えていきたいと思って目の強さを意識して演じました。」と語った。

 次に、監督が脚本執筆中、もっとも早くイメージできていたという真野響子さんは、「演じた教師の安達さんはいつもピンヒールを履いて、すきっとたっているような方。どんな子供たちにもこういう教師との出会いがあればいいのにと思います。」と役柄への思いをコメント。そして、弘介の同級生・西野美紗緒を演じた『約三十の嘘』などでナチュラルな演技で活躍中の伴杏里さんは北海道ロケも行われた共演者について「撮影現場では真野さんはあったかくて、担当の先生だったらいいなと思っていました。北海道でBBQをしたり、花火をしたのが楽しかったです。」と、監督いわくの「天然ボケ」の入った(?)トークで会場を和ませていた。

 最後に花堂監督は、「この作品は3作目になるのですが、いつも作品に人が出会う意味(という要素)を入れていますが、この作品ではそれがより明確に出ていると思います。見終わった後に心に何か残ったものについて考えてくれればスタッフもキャストも喜ぶと思います。」と、教育問題を問い掛ける今作への思い入れを語り、締めくくった。

(YUKO OZAWA)

◆教育問題に一石を投じる『不良少年の夢』はポレポレ東中野にて本日よりロードショー公開!

◆作品紹介不良少年の夢