9月8日、立教大学キャンパス内にて「カミュなんて知らない」完成披露試写会が行なわれた。まずゲストの高野之夫豊島区長と森秀樹立教大学総長補佐からご挨拶があった。

高野区長「この映画には、豊島区と色々なつながりがあります。この完成に至るまで、苦労があったかと思います.本当におめでとうございます。新しい文化をどう育てていくかが、豊島区の今後のテーマです。皆さんとともに新しい町づくりをしていきたいです。立教大学にも映像などを勉強することができる新しい学部が設置され、映画に携わる人が多く輩出されることを期待しています。」

森総長補佐「昨年の夏、映画を撮っていたのは知っていましたが、こんなに見事な作品になるとは思いませんでした。とても嬉しく、期待して見させていただきます。立教は歴史的建造物が多く、舞台はそろっており、そこで若い人たちが感じる生の深い感性を、この映画はとりあげていると思います。今日は本当におめでとうございます。」

続いて登場したのは、主演の柏原収史さん、吉川ひなのさん、前田愛さん、中泉英雄さん、本田博太郎さん、そして柳町光男監督。

柏原「この作品は1年前に撮影があり、本当に大変だったので、完成したのを見た時は感動し、この作品に携われて良かったと思いました。一人でも多くの人に見て欲しいです。(「どこが大変でしたか?」という質問に)オープニングの7分半のカット。何度もリハをして、台風にも邪魔されて、そのワンカットにOKが出るまでが大変でした」

吉川「この映画がカンヌに出品され、私も行ってきたのですが、カンヌでの上映後、4分くらいの本当に長い拍手をいただいてすごく嬉しかったです。なので、海外の人から見ても面白い映画だと、自信満々になりました(笑)。(「ユカリは思いつめ型ですが、役作りはどうされましたか?」という質問に)私はあまりそのような性格ではないので、自分の中のそんな部分を一生懸命引き出しました。でも、純粋な気持ちだと思えばわからなくもないので、なんとかなりました(笑)」

前田「この作品は学生スタッフが多く、不思議な撮影現場で、私自身すごく勉強になりました。彼らの一生懸命さを見ていて、頑張らなきゃと思えました。(「立教の印象は?」という質問に)すごく印象もよくて、リアルさもあり、私自身大学に通っているのですが、立教いいなぁとすごく思ってました(笑)」

中泉「(立教の)建物が新しくなっていたりして、あれから1年たったなぁと感じました。学生の人たちも一緒になってやっているというのが、リアルカミュだなと思いました。(「映画の中でさらに役を演じる、というものでしたが、役作りはどうされましたか?」という質問に)学生ということで、監督に肌をもっときれいにしろと言われ、一生懸命パックしたりしました(笑)。この映画のためなら人を殺すような方だと思っていたので、殺されてもいいってくらいのつもりでぶちあたりました。」

本田「摩訶不思議な時間を過ごさせていただきました。(「若い方と一緒の撮影でしたが?」という質問に)嫉妬するくらい素敵な人達ばかりでした。」

柳町監督「立教大学で80%以上撮影しました。今までの日本映画で、ここまで大学のキャンパス内で撮影した映画はないです。大学が全面的に映画に協力するということができなかったからです。私も、シナリオを書きながら、実現できるのか不安でしたが、立教がふたつ返事でOKしてくれた。立教の方々の映画に対する理解の深さに感激しました。」

また、会場には音楽担当の清水靖晃さんも登場した。
清水「最近は音楽よりも効果音が持ち上げられていますが、呼んでいただいてありがとうございます。」

「カミュなんて知らない」
渋谷ユーロスペース他にて2006年1月中旬ロードショー、他全国順次公開!
(武笠量子)

■作品紹介■
『カミュなんて知らない 』