山口雄大監督、最新作はスプラッター・ダークヒーロー・ムービー!『MEATBALL MACHINE』現場ルポ!!
漫☆画太郎、野中英次が手掛けるひと癖もふた癖もある人気漫画を見事に映画化してきた山口雄大監督。絶妙なセンスを爆発させた『魁!!クロマティ高校THE★MOVIE』が絶賛公開中のなか、早くも注目の次回作が東京国際ファンタスティック映画祭にて上映される。そのタイトルは『MEATBALL MACHINE』。山口監督といえばコメディだけれど、本作は“スプラッター・ダークヒーロー・ムービー”。実は山口監督、東京ファンタに毎年通うほど大のスプラッターホラー好きでもあるのだ。『MEATBALL MACHINE』は生きた人間に寄生する怪物と、それらに身体を乗っ取られ醜悪な生き物=ネクロボーグとなり、戦いを強要される一組の男女ヨウジ、サチコの物語が描かれる。
そして真夏の真っ只中である8月11日(木)、『MEATBALL MACHINE』の撮影が行われている静岡県某所へお邪魔することに……。
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到着すると、『自殺サークル』『恋する幼虫』などを手掛けてきた特技監督・西村喜廣さんが“血の雨”を降らす準備を着々と進めていた。ふと見ると、現場にはお手製の火炎放射器も。本当に炎が出てる…。ポリタンクに入った大量の血のり、実際に火を噴く火炎放射器——田んぼに囲まれたのどかな空き地が無法地帯と化していた。
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“血の雨”のほか、ヨウジが攻撃の間を走りぬけていくシーンの撮影も。血のりを噴出させるタイミングが大事なのでテストを重ねていく。ヨウジ役・高橋一生さんの代役をするスタッフに、「ヨウジの顔で走って!ヨウジの顔で!」と嬉しそうに指示をする山口監督。あいにく雨が降ったり止んだりの天気だったけれど、真夏の蒸し暑さの中では恵みの雨になった。高橋さん、サチコ役の河井青葉さんもちょっと涼しそう。
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そして“血の雨”のシーン本番。何度かカメラを回すが、画面に血の雨があまり映らない。急遽、大量の血のりを一気に降らすことに。ドバドバと容赦なく降り注ぐ赤い水がボディースーツに滴る。血のりが滴れば滴るほど生々しい迫力が倍増していく。ここはヨウジとサチコが心を通わせようとする、登場人物の悲しみが表れているシーン。高橋さん、河井さんの演技にも熱が入る。こうしてこの日の撮影は夜まで続いたのだった。……
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8月中旬に静岡県での撮影がクランクアップし、現在はポストプロダクション中。お披露目となる東京ファンタでは、10月14日(金)「超!ストレンジ・ムービーナイト」にて上映されることが決定。ちなみに会場は、日本一のスクリーンサイズを誇る新宿ミラノ座。コメディ映画の名手・山口監督が初めて手掛ける本格スプラッター・ムービーは、ぜひ東京ファンタで確かめるべし!
(yamamoto)
□関連サイト
・東京国際ファンタスティック映画祭2005
・西村喜廣映造事務所
(「特殊メイク西村喜廣-映造日記」で『MEATBALL MACHINE』撮影風景などが掲載されています)