8月27日、渋谷シアター・イメージフォーラムにて『ジーナ・K』の舞台挨拶が行われた。

監督を務めたのは、石井聰亙、東陽一、橋口亮輔監督らを助監督として長年支えてきた、藤江儀全監督。作品の出発点になったのは、昭和に生きた実在のストリッパー、ジプシーローズ。彼女にもし娘がいて、例えばヴォーカリストになっていたとしたら……。監督が長年あたためてきたそのアイディアを元に脚本は執筆された。

なにも持たない少女かやのに、神様が贈ってくれた歌の才能。それは、彼女が新しい世界に飛び立つための翼になった。彼女はやがて、ヴォーカリスト“ジーナ・K”として、かつて母親が立っていたストリップ劇場のステージで歌い始める。創られたイメージと自身とのギャップに悩み、ストリッパーである母親との葛藤を抱えながらも、心の叫びを音楽に託し、かやのは歌い続けた。そんなかやのに訪れる、友との出会い、そして初めて知る恋…。失うものなど何も持たなかったかやのが、はじめて出会った大切な存在。彼らとの出会いが、かやのに新しいエネルギーを吹き込む ———。

舞台挨拶には、藤江儀全監督をはじめ、SHUUBI、ARATA、吉居亜希子、石井聰亙らが登場。

主演少女かやのを演じたSHUUBIは「映画ではライブをいっぱいやっています。人と人とのつながりが描かれている作品です」

放浪癖のあるトランペッターを演じたARATAは「見終わった後エネルギーが湧いてくる作品だと思うので、楽しんで下さい」

中洲の娼婦で、ジーナの唯一の親友を演じた吉居亜希子「男の人の弱さと、女の人強さをてらし合わせてみて欲しいです」

ジーナ・Kを記録するドキュメンターリ作家を演じた石井聰亙は普段は監督をしており、役者としてこのような場に立つのは慣れてないから、逃げ出したいですと、居心地の悪そうな様子。「この作品では、僕らの世代や若い世代の役者がぶつかっています。この舞台挨拶ではアダルトは僕だけですが。(笑)スタッフ達も若者が多く、若いエネルギーがうずまいている作品です」

最後に藤江儀全監督は「足掛3年かかった作品です。この映画を観る時間は一生のうちで考えると一瞬ですが、観終わった後に得した、良かったと思って貰えればと思います」

最後に出演者らにファンらから花束が贈られ、舞台挨拶は終了した。

(T,S)
☆2005年8月27日 シアター・イメージフォーラム他にて全国順次ロードショー

□作品紹介
『ジーナ・K』