ジェームズ・キャメロン、クエンティン・タランティーノなど世界からも賞賛された劇場版アニメ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』が、TVアニメーション『BLOOD+』として10月から放送されることが決定した。キャラクター、ストーリーなどを一新、“少女が刀を使って翼手を斬る”コンセプトのみを残しているとのこと。8月25日(木)に開かれた製作発表会では、様々なビジネス展開のプレゼンテーションや監督・キャストによる挨拶が行われた。
 劇場版に引き続き、アニメーション制作を担当するのはプロダクションI.G(『イノセンス』『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズ)。代表取締役社長の石井氏は「監督はこれまでゲーム版や劇場版の『BLOOD』に関わってきた藤咲以外は考えられませんでした。小説家としてガンガン稼いでもらおうと思っていたんですが(笑)。スタッフもイキのいい人ばかりをそろえました。1年間終わる頃には最強のスタッフになるでしょう」と意気込みを見せた。

 『BLOOD+』の放送枠は『機動戦士ガンダムSEED』『鋼の錬金術師』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』といった大ヒット作が生み出されたMBS/TBS系土曜夕方6時の枠、通称“土6(どろく)”。上記の作品群でおなじみの「クールごとに主題歌を変更」「アーティストには原作、アニメを見せ、世界観を知ってもらった上で作詞などをしてもらう」といった“決まり”も引き続き起用される。OPテーマ曲は期待の新人・高橋瞳に決定、EDは未定だか「ご期待下さい!」(プロデューサー談)とのことなので、あっと驚くアーティストが登場するかもしれない。また音楽を手掛けるのはハリウッド・メジャーで、音楽プロデュースは『レインマン』『ラスト・サムライ』等100作品以上の映画音楽を手掛けた作曲家ハンス・ジマー、音楽は『スピード』『ブラザー・ベア』などで有名なマーク・マンシーナが担当する。
 またAIIの新サービス「スクリーンプラス」でTV版本編を独占ネット配信することも決定。8月25日から先行登録キャンペーンが始まっており、豪華レアグッズが当たるなどの特典が。そして漫画や小説でも『BLOOD+』の世界が描かれており、現在「月刊少年エース」など3誌で連載がスタート。舞台がロシアのロマノフ王朝や返還前の香港など、それぞれ異なったストーリーが展開する。その他、詳細は明かされなかったが、ゲームの企画も進んでいるという。
 
 発表会の最後は、監督、キャストによる挨拶が行われ、それぞれ抱負を述べた。藤咲淳一監督は劇場版の企画、同ゲームの総監督、小説、『攻殻機動隊』シリーズでも脚本、ゲーム、小説などを手掛け、今回が初監督作となる。「戦争というテーマを通してその裏側、人間であったり、経済であったり、社会であったりを描きたいなと思っています。キャラクターについてはサヤをきちんと語って物語を構成させたいということで、絵から変えていきました。それに伴ってカイやハジのキャラも膨らんでいきました。世界を駆け巡るんですが、取材しに行ったんですが、コザはとてもいいところ。でも平和だけれども、すぐそばに米軍基地がある。彼らは戦争をどう思っているんだろうと感じて、そういうところも伝えられたらと思っています」と藤咲監督。続いて小夜を演じる喜多村英梨さんは「前から劇場版を見ていたのでドッキリじゃないのかなって(笑)。小夜は純粋で自然体のところが彼女の魅力。演じるときもカッコいいとかいうイメージが強いと思いますが、そういうところだけでなく、人間関係なども大切にして演じていきたいと思います。ダークでカッコいい作品大好きなので、劇場版ももちろん大好き。音楽と映像の立体感がすごくて、初めて見た時は本当に驚きました」、ハジ役の小西克幸さんは「喜多村さんの印象は…(本物の)女子高生が来たーと(笑)。声を聞いていてもそのまま小夜だなあと思いました。ハジの役は謎に満ちた人で私も詳しく知らないんです(笑)。小夜ちゃんをうまく引っ張っていく役なのか、後ろから見守る役なのか。どちらにしろそれに従事して演じていこうと思っています」、カイ役の吉野裕行さんは「高校生役なので、ちょっと不安です(笑)。人間じゃないものを相手に、家族を守るために戦っていくのが楽しみです。沖縄には行けなかったのでとりあえず焼いてみました(笑)」とそれぞれ語った。
 アフレコは2週間後から開始予定で、今後も男性の魅力的な新キャラが登場していくとのこと。今後も“土6”は要注目の枠となりそうだ。
(yamamoto)

☆『BLOOD+』は2005年10月8日よりMBS/TBS系全国ネットにて毎週土曜日夕方6時より放送スタート!(※放送時間が異なる地域があります)