クリスマスイブの夜、停電によって光が消えた東京が舞台の『大停電の夜に』。豊川悦司、原田知世を始めとする豪華12人のキャストが、時々重なり合いながらそれぞれのラブ・ストーリーを紡ぎ出していく。8月22日(月)に行われた完成披露試写会は、“プラネタリウム”によるクリスマスの星空を真っ暗になった劇場のスクリーン全体に浮かび上がらせたり、上映前の舞台挨拶でキャストの香椎由宇さんと本郷奏多さんが進行役として“サンタクロース”の衣装で登場するなど、作品にちなんだ趣向が凝らされた。
 
 壇上で挨拶をしたのは音楽を担当した菊池成孔さん、『東京タワー』のヒットが記憶に新しい源孝志監督、そして監督と“カリュアード”というコラボレーション・ユニットを組む脚本家の相沢友子さん。「映画音楽は初めてで、しかも有名なジャズが主題歌と決まっていたので大変でした。その苦労が報われて(笑)とても良い作品になっていると思います」(菊池さん)、「今までになく登場人物がとても多く、いろいろ考える作業が楽しくかった。東京が大停電になるという映画なんですが、混乱の中事件が起きてハラハラする映画ではなくて、暗闇の中でしっとりと交わされる会話に耳を傾けるような静かな映画になっています。そして、身近な人とゆっくり話してみようかなと思ってもらえたら。」(相沢さん)、「撮影から半年。そんなにたったのかなという気が今しています。撮影監督の永田さんのおかげで素晴らしい映像になっております。音楽もキャッチで、脚本も今までの中で一番チャーミングで好きですね。手前味噌になりますが、素晴らしい映像と脚本、そして12人のキャストの方々が最高のパフォーマンスをしてくれています。ごゆっくり楽しんでください」(源監督)とそれぞれ語った。
 
 不倫を続ける夫、遠い地で待っているはずの彼女、生き別れの息子の存在、未だに忘れられないかつての恋人…。何かしら心に傷や悩み、特別な想いを抱えている12人の登場人物たち。大停電が起きた一夜の出来事が、彼らを確実に変化させる。『大停電の夜に』はそんな彼らと自分を重ね合わせて、心にじんわり染みてくるロマンチックな作品だ。公開は11月予定。
(yamamoto)
 
☆『大停電の夜に』は、丸の内ピカデリー2ほか 松竹・東急系にて全国一斉ロードショー!