“この夏いちばんの問題作”ダンカン初の監督作『七人の弔』が8月13日(土)に公開初日を迎えた。ノンフィクションをベースとして誕生した本作は、児童虐待を題材とし、子供達の臓器売買を契約する山奥のキャンプ場を舞台に物語が展開。赤裸々すぎるまでの親の本音、非道な親を慕わずにはいられない子供達の悲痛な思いが描かれていく。公開初日の舞台挨拶には、ダンカン監督、渡辺いっけい、高橋ひとみ、いしのようこ、温水洋一、保積ぺぺ、山田能龍、水木薫、中村友也、川原真琴、柳生みゆ、波田野秀斗、戸島俊季、石原圭人、松川真之介の総勢15名が駆けつけた。

 「役目はもう忘れましたが(笑)…暑い中撮った作品なので楽しんで見てください」と先制パンチを繰り出したのはダンカン監督。これまで俳優としても、『生きない』では脚本家としてもその実力の程を証明してきた監督は、本作で脚本・出演を兼任しており、「初日を迎えられて嬉しい。たけしさんとか映画を作らせてくれた人に感謝したい。その中で一番感謝しているのはこの話を映画にしましょうといってくれた森プロデューサーです。賛否両論のある映画だと思いますが、作品の中のようなことはあって欲しくないんで、いろんな人に薦めてください。少しでも多くの人が子供とどう接したらいいか考えてもらえたら」と熱く語った。
 一方、子供たちのリーダー役を演じた中村友也さん、川原真琴さんは「撮影中に台風が何個か来て大変でした。河原でカニを探すシーンがあったけど、川が荒れてカニなんていなくて(笑)」(中村さん)「子供たちとは常に一緒。虫を取ったり、皆で遊んだりも」(川原さん)とそれぞれエピソードを披露。が、そこですかさず監督が「子供たちは僕のこと嫌いなんですよ。監督しては尊敬してるみたいですけど、大人の人間としてはダメみたいです」と横槍を入れる。続けて監督が「もう撮影もないし、あっち向いてるからダンカン監督のこと嫌いな人は正直に手を挙げてね」と言ってみると、誰からも手は挙がらない。ひと安心と思ったら…大人のキャスト陣全員が思い切り手を挙げてる!その様子に会場から大爆笑が起こった。
 
 そして、なんと初日のお祝いに監督のご子息、虎太郎くんが花束贈呈役として登場!花束を受け取った後、虎太郎くんをだっこした監督は「甘やかしているみたいで嫌だなあ」と照れ笑い。監督でも俳優でも脚本家でもない、優しい“お父さん”の顔をちょっぴりのぞかせていた。
(yamamoto)

☆『七人の弔』はテアトル新宿にて公開中!以降全国順次ロードショー

□作品紹介
『七人の弔 』