恋に落ちて結ばれて…そんな2人の前に、彼女の記憶が消えていくという悲劇がたちはだかる。
見知らぬ人のように自分が忘れ去られていく絶望、自分の記憶が真っ白に消されていく恐怖。
『私の頭の中の消しゴム』

主演は、『MUSA-武士-』で高い評価を得たチョン・ウソン、ヒロインには『ラブ・ストーリー』などの映画で着実に女優の道を歩んでいるソン・イェジン。監督は、『The Cut Runs Deep』(未)で長編デビューし、ミュージックビデオの演出も数多く手掛けているイ・ジェハン。
本日は、主演チョン・ウソンとイ・ジェハン監督を招いての舞台挨拶付き試写会がよみうりホールにて開催された。上映後に行われる舞台挨拶という事で、先ほど鑑賞を終えたばかりの観客たちは余韻と共に、興奮冷めやらぬ中今か今かと来日ゲストの登場を待ちわびる。
そんな既にオーバーヒート気味な会場に、イ監督とチョン・ウソンが登壇するとあちらこちらから黄色い悲鳴にも似た声が。
そんな声援に応えるかのように「こんにちは!私はチョン・ウソンです(日本語)今日は試写会の為にわざわざ来てくれてありがとう!」と大きく手を振る。

本作についてチョン・ウソンは、「最初シナリオを読んた時、中盤くらいで勝手に僕が演じたチョルスの言葉が口から出ていたんです。全部読み終えた時はハッキリとは覚えていないけど、何か希望のようなものを感じ感動の涙を流しました。そういう理由でぜひこの映画に出演したいと思ったのです。以前から僕はラブストーリーに出演したいという気持ちが強くて、そういう映画を待っていたし自分でも探していました。そしてついに巡り合ったのがこの作品ですが、シナリオを読んだ瞬間この映画に表れている愛という気持ちを表現したいと強く思いました。そして私がチョルスになるのではなく、チョルスのキャラを自分の中に取り入れて私の気持ちで演技をしようと思ったのです。でもその中で1つだけ大きく悩んだ点があります。それは、チョルスが映画の後半でスジンが入院している病院へ訪ねて行くシーンですが、その時私は自分自身に問いかけました。“チョルスのように非常に辛い恋愛を貫く事ができるだろうか?真の愛を守り抜く事ができるだろうか?”と。撮影中その事について随分悩みました。チョルスは本当に勇気があって、スジンとの愛も最後まで大切にし貫いて行くわけですが、“自分に出来るのか?”と聞かれたらそうしたいという気持ちはあるが、やはりなかなか簡単には答えられないと思います。」と真剣な眼差しで答える。チョルスとの共通点について聞かれると「映画の中で彼は最初、工事現場で一生懸命働いています。それは、建築家になりたいという夢を持っていたからです。そして最後まで諦めずに一生懸命努力して建築家になりました。私も以前俳優になりたくて、デビューしたいという夢を持って努力を重ねた結果、幸いにも俳優になる事ができたのでそういった努力する部分は似ているかもしれませんね。」と語る。

そして最後に監督は、「この映画を観て頂ければ分かると思いますが、“愛を失くしてはいけない”だから、この映画を観た後は愛の為に努力してください。」チョン・ウソンは「映画の最後にスジンが“ここは天国ですか?”と言うシーンがあったと思いますが、皆さんも大切な愛を思い出して、皆さんが誰かを愛し、愛されている今生きているこの場所こそが天国なのだと僕は思います。」とそれぞれ想いを語った。

絶望に少しだけ打ち勝ち希望へと続くエンディング。
永遠の愛を描いた『私の頭の中の消しゴム』は2005年10月下旬、丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー!

(菅野奈緒美)

◇作品紹介
『私の頭の中の消しゴム 』