映画『エリザベスタウン』はアメリカ南部・ケンタッキー州エリザベスタウンを舞台に、ある一族の家長の大仰で滑稽な葬式から始まる、思いがけない恋の物語。素敵な出逢いはいつ起こるか分からない…そんな事を信じさせてくれる心に響くストーリー。

脚本・監督は、自身の体験を元にして書いた『あの頃ペニー・レインと』で、アカデミー脚本賞ほか数多くの賞を受賞し、世界中から注目を浴びるキャメロン・クロウ。今回の『エリザベスタウン』でもまた自分の父の急死という体験から物語を書いている。

本作に出演するのが、今やあちこちからオファーが殺到中の若手俳優オーランド・ブルーム。ピーター・ジャクソン監督の超大作『ロード・オブ・ザ・リング』(01)で弓の名手レゴラス役に大抜擢され、その後、ジョニー・デップ共演の大ヒット作『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』、ブラッド・ピット共演の超大作『トロイ』と立て続けに出演し、俳優として急成長している彼が今回演じるのは、父親の死をきっかけに、それまでとは全く違う人生の扉を開けるスニーカーデザイナー、ドリュー・ベイラー役。今までの彼が演じてきた役柄とは全く違う等身大の普通の青年役である。

本日、『エリザベスタウン』で青年ドリューを演じたオーランド・ブルームを招いての来日記者会見がパークハイアット東京にて開催された。
会場に姿を見せたオーランドは少し緊張しているようだったが、「日本に来る事ができて大変嬉しい。東京は大好きです!皆さんにぜひこの映画を楽しんで欲しいです。」と笑顔で語った。

“今まで歴史劇が続いていましたが、今回は現代劇。本作への出演を決めた理由は?”という質問が投げかけられると、「剣や鎧がない!そんな作品に出会えたからです(笑)」と会場の笑いを誘う。そして「何より監督に惹かれたのです。キャメロン・クロウ監督は本当に素晴らしく、最高峰の監督。僕は前々からソウルふるな映画を次々と世に送り出すキャメロン監督の大ファンだったのです。」と目を輝かせ、「彼とのコラボレーションは忘れがたい体験です。僕の人生を変えてしまうくらいの出来事だったのです。彼はとても音楽に影響を受けているので、撮影中もその場に合った音楽をかけて現場を和ませてくれました。映画の中でのキャラクターがどう成長していくかという事も大変的確に指示を出してくれ、それでいて僕ら俳優に自由も与えてくれるのです。」と監督への熱い想いを語った。
共演者については、「僕はスーザン・サランドンの大ファンでした。だから彼女が僕の母親役と聞き、とても嬉しかったですね。彼女は周りの俳優を勇気付けてくれる存在で、彼女自身もとても勇気がある人。彼女の撮影は、最初と最後しかなかったのですが、出番がない中盤の時期でも“みんな頑張ってる?”とよく差し入れを持ってきてくれたり、手紙を僕宛に“撮影お疲れ様です。また終盤で会いましょうね!”と出してくれたり…。まるで本当の母親のようでした。キルスティン・ダンストは本能的で、生まれ持った才能を持つ女優だと感じました。本作で葬式のシーンがあるのですが、あそこでのキルスティンと僕との演技は全てアドリブなんです。あのシーンで僕は彼女の背中にいたずらで落ち葉を入れたのですが、どうやら彼女は僕が虫をいれたと勘違いをしてかなり慌てていました(笑)。そのシーンはとても自然に出来上がって、本編でしっかりと使われています(笑)。」とお気に入りシーンを思い出しながら、時折笑いを堪えきれずに噴出してしまうオーランドはとてもかわいらしく撮影現場の雰囲気の良さが伺えた。
そして本作で製作を担当したトム・クルーズについては、「何度もセットに来てくれました。トムは僕の手本となる人で、ファンタスティックな俳優だと思います。役作りに関してもアドバイスをしてくれました。“極限まで自分の感情を高めて、監督から指示があったら少しずつ調整していけばいいんだ”と。」と振り返る。

最後にオーランドは、「来日した時に、空港で大勢のファンの方が出迎えてくれてとても嬉しかったです。もっとサインしたかったけどセキュリティの人に引きずられてしまいました。今度来た時にはいっぱいサインしてあげたいです!ファンの方のおかげで僕はこのような素敵な作品にも出会えたし、僕が心から愛しているこの仕事を続けていられるのです。だから皆さんにはとても感謝してします!」とファンへ愛を込めてメッセージを送った。

(菅野奈緒美)

※2005年10月、日比谷スカラ座ほか全国一斉ロードショー!!
◇作品紹介
『エリザベスタウン 』