skipシティ国際Dシネマ映画祭が土曜日より開幕、コンペ部門の上映が17日から行なわれた。
ドイツから女性監督マリナ・キャバ・ラルの作品がエントリーされ、彼女は、社会的なクルド人難民とそこに取り巻く人との交流を描いた作品を完成した。
映像は。フィルムではなくドイツでは初の試みであるデジタルベータカムに35ミリレンズのマウントを付けて撮影、フィルムの質感にこだわったそうです。
舞台挨拶には、監督のマリナ・キャバ・ラルと主演のペトラ・クレインナートさんが登壇し、上映後のQ&Aに参加した。ドイツでの上映ではあまりQ&Aが盛んではないというコメントだったが、興味深い質問が多数寄せられた。

−−−観客に何を伝えたいのか?
マリナ・キャバ・ラル監督「2つのレベルでこの映画は作っています。1つは、クルド人の難民に関して扱っています。ドイツでは難民審査中にもかかわらず強制送還されてしまうという事実に。もう1つは、人間的なレベルで身の知らない女性2人、男性1人で偏見を取り去って描いているということです。」

−−−演じられて
ぺトラさん「自分の実生活とは違うという面にとても共感がもてました。この映画が監督の言う社会的な側面を持っているという事、また、人間的なレベルで見かえりを持たない人間性という面、などが共感がもてたので、参加したいと感じました。」

−−−デジタルベーターカムを使っての撮影は?
マリナ・キャバ・ラル監督「デジタルでの撮影は、うれしく思いました。デジタルの良さは、沢山のカットを撮影することができます。たくさん素材を集めることで、編集にもこだわることができます。新しい取り組みには、35ミリレンズを使ってアナログ的な絵作りをすることができました。この新しい取り組みは、ドイツでは初めての試みでした。すべてスタッフの努力のたまものです。女性スタッフばかりで、唯一の出演者が男性だったこともあり、撮影や証明も女性でした。」

−−音楽について、なぜドイツ音楽を使わなかったのは?
マリナ・キャバ・ラル監督「この作品には、クルド音楽とドイツ音楽を使ってみました。男性と女性ふたりの音楽担当がいますが、なぜドイツの音楽だけにこだわらなかったのは、作品の内容が、クルド人との3人の人間模様なので、クルド風の音楽とドイツのクラシック風な音楽でコラボレーションをしてみたかったです。」

−−−撮影中の苦労などは?
ぺトラさん「時間をかけて脚本を読み、撮影中は完全に役になりきっていました、自宅で主人と喧嘩したとき、いつになく強い口調で喧嘩をしてしまい、そんな私を見て主人から役になりきっているんだからいいよと言ってくれたことを覚えています。」

監督とぺトラさんは、次回作も二人で映画を作ってみたいと思っているほど意気投合したそうです。
(YAS)

□SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2005
http://www.skipcity-dcf.jp/