緒方明監督作品『いつか読書する日』初日舞台挨拶
密やかな想いを胸の奥底に閉じ込めたまま、過ぎていった30余年。一枚一枚、本の頁をめくるように紡がれてゆく、長くて深い恋。孤独と惑いを単調な生活に秘める美奈子と、美奈子にこだわりながらも妻と暮らし続ける槐多。
美しい町で静かに燃える、たったひとつの恋を綴った『いつか読書する日』。本作は、初めての恋を胸の奥底で温め続け、30余年を生きてきた男と女の、本格メロドラマである。
監督は、2000年「独立少年合唱団」でベルリン国際映画祭新人監督賞を日本人として初めて受賞した緒方明。
緒方監督を筆頭に主要キャスト3名、美奈子役の田中裕子さん、槐多役の岸部一徳さん、槐多の妻・容子役の仁科亜季子さんが登壇し、『いつか読書する日』初日舞台挨拶が場内満員のユーロスペースにて行われた。
緒方監督:「朝から並んで本作を観に来てくれた皆さん、本当にありがとうございます!これはみんなで作り、俳優さんも素晴らしい演技で応えてくれた色々な想いが詰まった映画です。それを皆さんに観て貰えるなんて感無量です。」
田中さん:「この暑い中よく来てくれました。牛乳配達の50代のおばさん役が出来て嬉しかったです(笑)。脚本の青木さんや緒方監督、そしてこの映画を作ってくれた色々な人たちに感謝します。観てくれた人の心の隅にそっと何か残せたらいいなと思います。」
岸部さん:「色々なハリウッド的なものとか、大作が公開されている中で本作に足を運んでくれ大変有難く思います。今日来てくれた方々はきっと映画の良さが見つけられる人たちなのでしょう。本作は50代の恋愛映画です。田中さんと仁科さんに挟まれる事も残念ながらもうないでしょう(笑)。2人と共演できとても幸せでした。」
仁科さん:「長い撮影の中で私はたった一週間程度の撮影でしたが、本作に参加出来て心から嬉しく思います。私、実は芸歴はそれ程長くないんです。だから周りがベテランの方たちばかりでずっと緊張しながら病気の役なので横たわっていました(笑)。」
不器用で切ない最初で最後の大人の恋。本作は老若男女全ての人が楽しめる作品であろう。
(菅野奈緒美)
※2005年7月2日(土)からユーロスペースにてロードショー!以降、全国順次公開予定
■作品紹介
『いつか読書する日 』