5月26日ZEPP TOKYOにて本年度アカデミー賞主要4部門受賞作品『ミリオンダラー・ベイビー』ジャパン・プレミア試写会が開催された。

照明が消され、観客が2人の登場を待ち焦がれる中、スポットライトに照らされたヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンが客席後ろ入り口から登場。ステージへ向かって敷かれたレッド・カーペット上を、観客の歓声に笑顔で手を振りながら歩いた。

アカデミー賞主要4部門受賞という快挙を遂げた作品について、ヒラリーは「こんなに美しい作品は滅多に出会えません」モーガンは、「作品、監督、女優とそれぞれが本当に素晴らしく、良い経験でした」。

今回、京都と奈良に行くのを楽しみにしているという初来日のヒラリー。初めて来た日本の印象は、「学生の時に日本について学び、素晴らしい国だと聞いていました。来日して、それが本当だと感じています」対して、4度目の来日というモーガンは東京の様子を「シカゴにいるように感じる時があります」と語った。

『ミリオンダラー・ベイビー』で初めて共演した二人の、お互いについての印象について、ヒラリーは「モーガンのことは自分が女優として売れる前からずっと観ていたので、私にとっては伝説的とも言える人物。普通、会う前に期待が大きい程、会った時にがっかりしがちだけれど、実際のモーガンは才能があり、人間的にも素晴らしい人でした。是非また共演したいです。」と言うと、モーガンは照れと嬉しさのまじったような笑顔で、ヒラリーの頬にキスをした。モーガンにとって、ヒラリーの印象は「『ボーイズ・ドント・クライ』を観て、素晴らしい演技をする女優だと思いました。彼女は仕事に対して勤勉で、プロ根性がある。一緒にいるといつも楽しいです」と言うと、今度はヒラリーがモーガンの頬にキスを返し、まるで親子のような仲睦まじい姿を見せた。
一緒にいて楽しいと言ってるように、途中から出てきた等身大のクリント・イーストウッド監督の看板の口元にヒラリーがマイクを向けたり、二人で看板に肩を組んだりとふざけて、観客を笑わせることもしばしば。

監督のクリント・イーストウッドについて、ヒラリーは「“唯一無二”という言葉そのもののような人。彼と会い、そして共演出来たことは本当に嬉しいです。もし今度また映画に誘ってくれたら、脚本を読まなくても返事をしちゃいます」。モーガンからみた監督は「とても物静かな人。いろいろな面で才能があり、人間性も素晴らしい。彼を友達と呼べるのはとても光栄なこと。監督のことをすごく褒めているように聞こえるだろうけれど、これは誇張じゃないよ」と、二人共クリント・イーストウッドに絶大なる信頼と尊敬を寄せている様子。その信頼がこの『ミリオンダラー・ベイビー』という素晴らしい作品を生み出した要因の一つでもあるようだ。

最後にヒラリーは「この映画を私はとても楽しんだので、皆さんも楽しんで欲しいです」と締めくくった。

舞台袖へと向かうモーガンの手にはクリント・イーストウッドの看板がしっかりと抱えられており、撮影現場の楽しい雰囲気を感じさせる舞台挨拶となった。
(T.S)

2005年5月28日、丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー公開

□作品紹介
ミリオンダラー・ベイビー