5月23日(月)都内にて『ホステージ』主演のブルース・ウィリス来日記者会見が行われた。来日は『シックス・センス』以来6年ぶり。カメラのフラッシュのなか、「コンニチワ」と日本語でにこやかに多くのマスコミ・関係者の中登場した。

『ダイ・ハード』で一躍スターの座を確定的にして以来、アクション映画に出演し続けるブルース・ウィリスであるが、「正直、アクション映画を休んだ時期があった。アクションというジャンルで成功し、“これからアクションでは何をすべきか、もっと改善していく必要があるのではないか。”という悩みをもっていた。だから、今回の映画を単なる“ブルース・ウィリス”の映画にはしたくなかった」。

そんな中、再びアクションへの意欲を湧かせたのが、AMAZON.COMで2001年ベスト・スリラー(サスペンス賞)に選ばれたロバート・クレイスの傑作ベストセラー『ホステージ』。一読し、その見事な構成に惚れこんだウィリスは、自らすぐに映画化権を取得したという。

「映画『ホステージ』は、アクション映画というだけではなく、ハラハラドキドキさせると同時に、家族というテーマにも重点をおいた作品」と、アクション映画に対して持ちつづけてきた悩みへの答えを出せた作品になったようだ。

監督に抜擢されたのは、”フィルム・ノワールの新世代誕生”と絶賛された『スズメバチ』(02)で本国フランスをはじめ全世界で批評のみならず興行的な成功をおさめたフローラン=エミリオ・シリ。「監督は、素晴らしいストーリーテラーで、彼の演出にはとても満足」また、『ダイ・ハード』でも脚本を執筆しているダグ・リチャードソンについては「彼は、人と人との感情描写がとてもうまい。常に撮影現場におり、実際に演じた時にセリフがしっくりこないと、その場で脚本を書き直してくれた」とスタッフの仕事振りについても絶賛。

今作品には実の娘であるルーマー・ウィルスも出演。「映画では仲の悪い親子のだが、実際は仲がいいです(笑)。ルーマーとのシーンは、脚本ではそれ程感動的なシーンではなかったのだが、実際撮影して私達の演技を監督が見て、とても感動的なシーンとなった。」と、親子の演技の息もぴったりだったようだ。

また、会見中、ハリウッドデビュー作「ザ・リング2」が全米興行収入で初登場1位をという快挙を成し遂げた中田秀夫監督との映画の話が進められているという話も飛び出した。日本人監督と組み、どのような役を演じるのか。今後のブルース・ウィリスの活動にも注目の集まる会見となった。

(T,S)

2005年6月4日(土)より、丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー

□作品紹介
『ホステージ 』