松坂慶子が韓流トランスジェンダースター・ハリスと競演『桃色』記者会見
『美少年の恋』や宮沢りえがモスクワ映画祭で主演女優賞を受賞した『華の愛遊園驚夢』など独特の映像美学と耽美的な作品世界が世界的に高く評価されるヨン・ファン監督の最新作『桃色』は、日本を代表する女優・松坂慶子が堂々たる海外作品デビューを果たした記念すべき作品である。香港を舞台に、松坂演じるゴージャスで圧倒的な存在感を放つ日本人女性「梅木夫人」がいざなうエロスとミステリーの世界が描かれる本作は、韓国で初の性転換をしたトランスジェンダースターとして人気を集めるハリスとの競演ならぬセクシーな競艶も話題を集めている。
5月10日の記者会見にはヨン・ファン監督、ハリスが来日し松坂とともに登場。ヨン・ファン監督は「この作品は私にとってもすごく重要な作品です。「梅木夫人」には自分の運命への挑戦、また運命に対する革命性という内面的なメッセージをもっています。松坂さんとハリスという素晴らしい二人の女優が梅木を体現してくれました。」と作品に対する熱情を語れば、対して松坂は「監督は美意識も高くインテリジェンス。そんな監督のご指導の下映画に参加できるのは胸はずむことでした。」と答える。「香港スタッフとの仕事もみなさんプロフェッショナルで活気があって素晴らしかったです。」と初の海外作品出演について感想をのべた。
また、若い時の梅木夫人を演じたハリスは松坂について「演技もうまくて有名だからもしかしてナマイキなのかな?って思ったんですけどお会いしたらすっごく優しくて!食事に誘ってくださったり心の広い方です。まるでお母さんのような、お姉さんのような、友達のようにすごく優しいんです。尊敬している人です。みなさんにとってもそうですよね?」と日本語で挨拶しながら松坂を大絶賛。「梅木夫人というキャラクターは脚本ノートでは「サンセット大通り」のグロリア・スワンソンや「欲望という名の列車」のヴィヴィアン・リーをイメージしていたけれど、それ以上の人物に仕上がったと思う。この場を借りて松坂さんにはありがとうといいたいです。」と監督も彼女の演技を高く評価した。
愛する人のため性転換をして女性となり、さらには時空を超えた存在としてストーリーに君臨する梅木役について松坂本人は「一番はじめの脚本では日本から来た貴婦人という設定でしたが、最終稿になって元は男性だったという設定に変わったのでびっくりしました。でもこの作品のテーマである愛のために自分の運命を変える強さ、というところに合っていると思いました。」と脚本には深く理解をしめす。「五感にひびく映画だと思います。冒頭梅木がはめた黒いエナメルの手だけが映り、いろんなところを撫でていくんですがそのシーンだけでもとてもエロティックだと思います。」とみどころを語った。「ポルノ映画ではないので直接的なシーンはないけどそれ以上のものを感じさせる作品になっていると思います。」とヨン・ファン監督は自身の作品に太鼓判を押した。公開は今週5月14日から新宿ピカデリー4、銀座シネパトスにて!!
(綿)
◆作品紹介
『桃色 Colour Blossoms』