◆マヤ・サンサ(『愛はふたたび』主演女優)
——強い女性を演じていますが、マヤさん自身も強いのですか?
 うーんそうね(笑)。性格は強いです。人間にはいろんな要素があるので、時間によっては優しい時もあります(笑)。『愛はふたたび』で演じたマリアは、原作とは違う役になっています。それはマリアをたんなる人生の犠牲者にしたくなくて、彼女が前向きに生きていけるようにとの監督の考えからです。愛は人生を豊かにするものですし、愛に対して建設的な考え方ができるようにするためでした。

◆ステファノ・アッコルシ(『愛はふたたび』主演俳優)
 私の演じたジョヴァンニは、映画の最初の頃は子供っぽさのある人物でしたが、一種のアバンチュール的な愛で大きくなっていく。本当に大きな大作のラブストーリーです。おそらくジョバンニにとって初めてで、彼に感情教育を果たした愛だと思います。

——『愛という名の旅』でも情熱的な役を演じていますね。ご自身もそういうところがある?
いいえ(笑)。なので、こういう恋をする役は演じるのにいつも苦労してます。まあこれは冗談で、常に映画に情熱はあるし、いつも役になりきってやっています。でも女性をなぐったことと、ヘロインをやりすぎたことはありません(笑)。

◆ニコレッタ・ロマノフ(『私のことを覚えていて』女優)
 この映画は賛否両論を生んだ作品で、この中で私は憎まれる役をやっています。いつも欲求不満で、スター願望をもっている女性の役だったので、演じるのが大変でした。誰もが夢を持っているものですが、思春期のもろい、壊れやすい、自信のない女性をともかく演じています。

——本作は映画初出演作だそうですが、出演後何か変わったことはありますか?
 出演前はプーでしたが、今は仕事をします(笑)。いきなり映画に出演する事になって、初めて撮影したのがパンツ1枚で踊るというシーン。もうこれで怖いものはないと感じています(笑)。

◆オリヴィア・マニャーニ(『愛の果てへの旅』女優)
——おばあさんのアンナ・マニャーニが出ていた頃のイタリア映画と今のイタリア映画と比べてどう感じていますか?
映画の批評家ではないのでよくわかりませんが(笑)。女優としていろんな映画を見ることはとても大事です。ただ、私は祖母の作品のみを見て女優になりたいと思ったわけではありません。いろんな作品に影響されて、女優を目指すようになりました。

【質疑応答】
——日本での配給はまだまだ少なく、「イタリア映画は泣かせてくれる」というステレオタイプがあるのですが、そういったプレッシャーを感じる事はありますか?

◆シルヴィオ・ソルディーニ監督(『アガタと嵐』)
 プレッシャーはあります。海外でイタリア映画といえば、大概ネオレアリズムの巨匠のことを指していることが多いですし。私は自分の作風を追及していますから、他国でイタリア映画の配給が少ない事はとても残念。50年代の作品が今も生きているというのはあるはずがないんです。現代の監督達が今、生きている現在を撮っているのですから。ネオレアリズムの監督を忘れてはいけないけれど、親ともいえる彼らとは違うやり方を探していかないといけない。もちろん戦後の(作品の)方がおもしろさは格別だったとは思いますけれど。

◆ステファノ・アッコルシ(『愛はふたたび』主演俳優)
ちょっと会場の皆さんに質問をしたいのですが、『自転車泥棒』、『甘い生活』を見たことがある方、挙手をしてもらえますか?(会場中から手が挙がる)ありがとうございます。すごいですね。イタリアの若者はほとんどこの2作品を見たことがないのですが。でもシネフィルじゃないとこの場(映画祭)にはいないですよね(笑)。イタリアもフランスも過去に大ヒットした作品を見るのは映画の関係者に多くて、大半の観客は見ていないんです。皆が昔の大作を見過ごしてしまうと思いますが、名作だと思える映画は見る必要があります。それは人生を豊かにすると思うからです。日本の方々が(『自転車泥棒』にような)あんなに古い映画を見ている事にとても感動しました。

(yamamoto)

☆「イタリア映画祭2005」は、5月4日(水)まで有楽町朝日ホールにて開催中!

□「イタリア映画祭2005」公式サイト
http://www.asahi.com/event/it05/

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