「1.主人公は刑事」、「2.上映時間は10分を1秒でも超えぬこと」「3.最低でも1分につき1回はギャグを入れること」を原則として、監督達が独自のテイストを爆発させてきた「刑事まつり」。現在第7弾まで続き、早くも第8弾「情け無用の刑事まつり」が動きだしているこのシリーズの幹事・篠崎誠監督も、『忘れられぬ刑事たち』『霊感のない刑事』で自らメガホンを取っている。4月23日(土)、この2作品の“完全版”(『霊感のない刑事(全長版)』『忘れられぬ刑事たち(最終版)』)がアテネ・フランセ文化センターにて上映され、篠崎監督とゲストによるトークショーが行われた。

 篠崎監督は、今回再編集をしたり、追撮をしたり、かなり気合が入っていたそう。が、編集用コンピューターにトラブルが起き、なんと開始時間になっても上映素材が会場に届いていない!急遽、上映前にトークショーをすることとなり、観客として来ていた東京フィルメックス プログラムディレクターの市山尚三さんが特別ゲストとして登壇。「第1回から観ています」と話す市山さんのお気に入りは井口昇監督の作品(『アトピー刑事』『中身刑事』)とのこと。残念ながら、ゴールデンウィーク中に日本映画専門チャンネルで放送される「GW深夜まるごと ”刑事まつり”祭」では『アトピー刑事』は登場しないが、篠崎監督いわく「イベントに来ないと観られないっていうのも“祭り”っぽくていいかなと思っています」。
 
 また「新人(ルーキー)刑事まつり」トークショーに引き続き、浦井崇さん、『忘れられぬ刑事たち』『霊感のない刑事』で熱演をみせている保坂大輔さん、高橋洋監督、万田邦敏監督が登場。多彩なゲストと共に、時々携帯電話で上映素材の進行具合を確認しながら進められたトークは、篠崎監督がプロデューサーの一人を務め、刑事まつりの監督達も多数参加している「スパイ道」や、「最初から壊れたものがいい、チープなものがいいと思うのは危険。結果としてチープになってもかまわない、チープになることでもっと強い表現になるならいいというのでないと。あくまで強い表現になることが前提であって、何でもチープがいいとか、これで笑えればいいということではないんです」(篠崎監督)といった映画論にまで広がっていった。更に、在庫希少な「刑事まつり」ポスターがもらえる“じゃんけん”プチイベントが催されるなど、1時間半近く続いた濃いトークショーはファンにとって嬉しいプレゼントとなった。
 
(yamamoto)

★「刑事まつり」5シリーズからセレクトした30作が楽しめる「GW深夜まるごと ”刑事まつり”祭」は、日本映画専門チャンネル(Ch.707、月額525円)にて4月29日(金)〜5月8日(日)一挙放送!!

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刑事(でか)まつり
日本映画専門チャンネル

■作品紹介
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