カルト的人気を誇り、一度観たら病みつきになる人続出の「刑事まつり」第7弾、「新人(ルーキー)刑事まつり」が4月19日(火)から23日(土)までアテネ・フランセ文化センターにて上映された。刑事まつりの基本ルール「1.主人公は刑事」、「2.上映時間は10分を1秒でも超えぬこと」「3.最低でも1分につき1回はギャグを入れること」に挑んだのは、まだ長編劇場公開映画を手掛けていない新人監督7人。上映最終日となる23日(土)には監督たちによるトークショーが行われた。ただし「刑事まつり」幹事の篠崎さんの急な欠席により、『伊達ハリー』の監督、浦井崇さんが進行役を務めることに。そして残念ながら『シャクティーパット刑事』の真利子哲也監督はアルバイトの都合で欠席。そんなこんなで監督6人と、緊急特別ゲストとして『アメリカ刑事』の高橋洋監督、今回今回『伊達ハリー』に出演されている、『夫婦刑事』『続 夫婦刑事2』の万田邦敏監督が登壇し、各作品の品評や感想などを語っていった。
※「新人(ルーキー)刑事まつり」
 『世にも奇妙な刑事』監督/坂元鬼啓二
 『刑事たちの午後』監督/奥田真一
 『女エアー・コップ』監督/酒徳ごうわく
 『堕落刑事』監督/継田淳
 『伊達ハリー』監督/浦井崇
 『おなら刑事』監督/保坂大輔
 『シャクティーパット刑事』監督/真利子哲也
 
◆高橋洋監督「一番好きなのは『シャクティーパット刑事』で、ダメとかじゃないんだけど、一番わからなかったのが『女エアー・コップ』。『伊達ハリー』の最後の映像には正直嫉妬しました(笑)。あと、原点回帰というか、刑事らしさがどの作品にもありましたね。」
(※監督達には篠崎さんから、最近刑事ということを忘れている傾向にあるから、主人公は刑事らしい行動をするようにとの指示があったとのこと)

◆万田邦敏監督「(今回も)やっぱりとんでもなかったですね。自分も出演しているから恥ずかしいですが(笑)。7本中、ストーリー性のあるものが何本かありましたが、刑事まつり的には物語というのはどうなのかな。邪魔といえば邪魔なのかもしれないですね。それに7シリーズ目で新人をデビューさせたというのは、刑事まつりの一つの功績なのかなと思います」

——「刑事まつり」への気負いについて
◆浦井崇監督「申し訳なんですけども、刑事まつりらしい作品を撮ろうという気負いもなく、1分に1ギャグも無視しました。万田さんが主役なのは、前に“僕はイーストウッドになりたいんだよ!”って飲み会で話していたんです。いつも万田さんにはお世話になっているし、じゃあイーストウッドにさせてあげます!と。後で聞いたら監督としてだったそうですが。ダーティーハリーやから、銃声とかちゃんと(映画の)マグナムの音です」
◆坂元鬼啓二監督「気負いはありましたね。過去にすごい監督達が参加していますし。それに僕はギャグが苦手だったけど、自分なりのギャグをやろうと思って撮りました」
奥田真一監督「気負いは僕もありました。普段は監督とは違う仕事をしているので、サイバー刑事まつりを参考にして撮りました。アマチュア的なのはアマチュアだからなんです(笑)。簡単なギャグも思いつけなくて、ネットのデータベースで探してそこから採用したりしました」
◆酒徳ごうわく監督「第1回から見てて、ずっと参加したいと思っていました。前に一般募集があった時には、俺の方が面白いものを撮れる!って思ってた作家の一人だったんですけど、何も思いつかず結局応募できなくて。それがとても悔しかったんです。それで篠崎さんにアピールして、今回最初の候補ではなかったんですが、欠員が出たので参加することになりました」
◆継田淳監督「ドロリとした映画を撮りたいなと思って、ギャグは一応自分なりにルールを守ったんですが…。受けなければギャグはギャグとして認知されないものですね(笑)」
◆保坂大輔監督「今まで僕も刑事まつりを見てきて、ストーリー性のある方が目立つのではないかと思ってたんです。が、『伊達ハリー』があったのでちょっと思惑が外れました(笑)」

(yamamoto)

★これまでの「刑事まつり」からセレクトした30作が楽しめる「GW深夜まるごと ”刑事まつり”祭」は、日本映画専門チャンネル(Ch.707、月額525円)にて4月29日(金)〜5月8日(日)一挙放送!!

□公式サイト
刑事(でか)まつり
日本映画専門チャンネル

■作品紹介
刑事(でか)まつり
帰ってきた刑事(でか)まつり
最も危険な刑事(でか)まつり
新刑事(でか)まつり〜一発逆転〜
悪魔の刑事まつり