4月9日(土)、出版以来ベストセラーを続けている高木敏子さん原作の『ガラスのうさぎ』の長編アニメーション映画の完成披露試写会が銀座・ヤマハホールにて行われた。「ガラスのうさぎ」は、高木さんが太平洋戦争で体験した悲しみや希望を綴った物語で、海外でも多数の国で翻訳出版されている名作。作品上映前の舞台挨拶には、桂荘三郎プロデューサー、原作の高木敏子さん、四分一節子監督、主人公・敏子を務めた最上莉奈さん、敏子の妹・信子役の岡珠希さん、敏子の孫・真理役の安谷屋なぎささん、主題歌「ガラスのうさぎ」を歌う新妻聖子さん、挿入歌「おとうさん」を歌う高野朱華さんが駆けつけた。

 「重い病気に何度もかかりましたが、その度になんとか甦りました(笑)。きっと戦後60年に開かれたこの(試写)会を、両親や妹たちだけでなく、310万以上という(戦争で)亡くなった日本人たち皆がガンバレガンバレと応援してくれたんだと思っています」と語ったのは原作の高木敏子さん。パワフルな語り口を披露する中、「製作スタッフの皆さんが私の心を汲んで、素晴らしい映画を作ってくださった。そして60年間私を支えてくれた方々にも大変感謝いたしております。そして今回マスコミの皆さんがたくさん取材に来てくれて、その方々が小学生、中学校、高校の頃に「ガラスのうさぎ」を読んだと言ってくれた時、ああよかった、真剣に平和の問題に取り組んでくれる人たちが育ってくれているんだととても嬉しかった。私に代わって、国民の皆さんにいろいろな情報を伝えて欲しいと思います」と涙を見せるシーンも。
 
 続いて四分一節子監督は「イラク戦争の時、敏子ちゃんがまた生まれているんだなと思いながらテレビの映像を見ていました。逃げ惑う人々を撃つパイロットはどう考えていたんだろうか、と想像しながら制作を進めていたんですが、でもそれが戦争なんだと。そして作品を通して、改めて法律というものをもっと知らないといけないと感じました。沢山の人に見てもらって、全国にいる戦争を体験した人たちと、戦争を知らない人たちが話をしてもらえれば」、敏子役の最上莉奈さんは「原作を読んだ時、本当にこんな戦争があったのかと驚きました。一日でも早く地球上から戦争がなくなることを心から願います。最近は命を大切にしない人が増えていますが、戦争を知らない世代の方にもたくさん見ていただいて、戦争や命についてもっと考えてもらえたらと思います」とそれぞれ語り、平和、命の大切さを壇上から訴えた。
 
(yamamoto)

☆『ガラスのうさぎ』は、5月より全国上映開始!!

■公式サイト
http://www.ggvp.net/usagi/