韓国映画界の若手監督の中でも特に重要人物としてその天才ぶりを評価されている『箪笥』のキム・ジウン監督と押しも押されぬ韓流スターの最高峰イ・ビョンホンが強力タッグを組んでおりなす話題作『甘い人生』のジャパンプレミア試写会が4月7日青山劇場で行われた。舞台挨拶には作品のPRのため来日中のイ・ビョンホンが登場するとあって1200席のキャパの会場は満席、その大半を占める女性ファンは興奮の面持ちでイの登場を今か今かと待ち構えていた。ひとたびイが登場すると、歓声とも悲鳴ともつかない熱いラブコールが会場にこだました。そんな声援を満面の笑みで受け止めるイ・ビョンホン。
「映画というのはたくさんの涙を流したり刺激をうけたりするものですが、この映画は印象的なシーンの数々でつづられています。おぼろげなイメージが心に残っていく映画だと思います。多少残酷なシーンもありますが、心を込めて作った映画です、女性の皆さんどうか目をつぶらずにしっかりと観てください。」
と自ら太鼓判を押す自信作について観客にアピール。
また、監督のキム・ジウンは、「確かに残酷なシーンも含まれていますけれど、日本の北野武や三池崇史の作品の方がより残忍だと思います(笑)。残酷なシーンがあっても、そのすぐあとにイ・ビョンホンさんの美しい表情が現れるのでこの映画の弊害にはなっていないと思います。」とはにかんだ。会見でもお茶目な面をみせてくれたジウン監督についてイは「ごらんの通り、照れ屋で内気な方なんですが、ルックスやファッションに気をつかったりかわいい方なんですが、この映画のシナリオをたった3日で書き上げたと聞いて驚きました。本当に素晴らしい才能を持っている方です。撮影中もずっとそう思っていました。」
写真撮影タイムでも、自分は笑顔で写らなければと微笑んでいるのにふと横をみるとまったくの無表情で立っているだけの監督をみて、「自分ばかりニコニコしていたらバカみたいじゃないか…」ともらすイ・ビョンホン、意外な一面をみせてくれました。(それに対してのジウン監督の言い訳は「自分はフィルム・ノワールを監督したんだからニコニコ笑っていてはいけない、重みがなければ・・・」と思っていたのだとか)
最後にファンへ一言
イ「舞台挨拶はこれまでに何度もしているけれど、いつも緊張します。皆さんの反応、評価がすごく気になります。この作品を観た2時間が皆さんにとってよい思い出になって欲しいです。韓流の力ではなく映画の力を評価してほしいです。」
 イ・ビョンホン、渾身の力作が1200人の観客、2400の瞳に見守られて日本に到着した瞬間だった。
(綿野)

※『甘い人生』は2005年GW公開予定

□作品紹介
『甘い人生』