業務命令で英語学校に通わされることにたったイケてない地方公務員のヨンジュ(イ・ナヨン)。なんで私がと思いながら渋々授業に出たヨンジュは、そこでハンサムだけどお調子者のムンス(チャン・ヒョク)に一目惚れしてしまうのだった。一見正反対な二人が、恋と英語に奮戦する姿をポップにかつ温かく見つめたラブ・コメディが、『英語完全征服』だ。監督は漢気溢れる武侠篇『MUSA−武士−』で、観客の熱い涙を絞り取ったキム・ソンス。そう聞くと、なんかタイプが真逆じゃん…と一抹の不安を覚える人もいるかもしれないが、それは杞憂に過ぎないとここで断言しておこう。ヒロインの妄想をゲーム画面のようにみせたりする軽妙な描写と、王道を行くラブコメ演出には、きっと前作で熱い感動を覚えた者にも、これまでとは異なる新たな驚きと楽しさを堪能させることは間違いないはず。
 そんなご機嫌な本作の特別試写会が、4月1日にヤマハホールで開催され、上映前にはお茶の間でも御馴染みなギャグの達人!?デーブ・スペクターがゲストとして登場し、映画の前に一笑いとばかりに軽妙なトークを展開し、客席を大いに沸かせた。
 「韓国語で、サンドイッチをなんて言うか知ってますか?…はむはさみだ!」と、掴みからギャグを飛ばしまくったデーブだが、実は本作の緒面白さについては、実際に見るまでは半信半疑だったそうだ。時事ネタやダジャレを挿みつつ、「正直、見るまではあまり期待してなかった。ロマンチックコメディってあんまりピンと来ないし。それで最初の10分間はどんなもんかもよくわからないまま見ていたんだけど、これが思いっきりはまってね。韓国のコメディタッチのものはこれまで見たことが無かったのだけど、英会話に苦戦している姿は、日本人と同じ悩みですよね。韓国での英会話スクールとか、国家公務員とかの実体がが見れて、これが日本とも非常によく似ている。でも恋愛観はちょっといますかね。かなり忍耐力があるというか…。これから見る、皆さんはどう思うでしょうね?気になります。最終的なゴールが同じでも、プロセスが違うのが面白いですね。日常生活も沢山見られるし、見所がいっぱい。フレンドリーな映画でテレビの『冬のソナタ』とかともちょっと違って新鮮。キュートでだし、こういう映画がドンドン来ると嬉しいね」と、本作の魅力を大いにアピール。
 因みに、デーブ自身が達者な日本語を収得したのは、日本のマンガからだとか。「『おそ松くん』が大好きでね。でもマンガで覚えたから、綺麗じゃない日本語と敬語を区別がつかないまま覚えちゃった。貴様の名前はなんとっしゃいますか…とかね(笑)」。そんなデーブが教える、英語語上達の極意とは?「生まれ変わった方が早いんじゃないかなぁ…」ごもっともです(笑)。
 なお、『英語完全征服』は2005年4月16日より新宿シネマミラノ、東劇他にて全国新学期ロードショー!
(殿井君人)

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