韓国のパク・チャヌク、香港のフルーツ・チャン、そして日本の三池崇史。世界が注目するアジア映画界を牽引する3人の映画作家が、人間の深い欲望に迫る幻想オムニバス作品『美しい夜、残酷な朝』。昨年の東京国際映画祭でも、大きな衝撃と称賛を集めた本作の披露試写会が、先頃オープンしたばかりのTOHOシネマズ府中にて開催され、日本篇“box”で記憶と悪夢の迷宮を彷徨う小説家・鏡子を演じた長谷川京子と三池崇史監督が来場し舞台挨拶が行われた。
 本作が映画初主演作となる長谷川は、以前から三池監督の大ファンで、まさに念願叶っての第1作となったようだ。「凄く嬉しくて。短い期間でしたが、夢のような撮影現場を過させていただきました。心理的に追い込まれる部分でも、監督からそういう状況を作ってもらったシーンもありますし、現場の雰囲気作りもしてくださったので、私はそこに入っていくだけ。ある意味、楽にやらせていただきました」。とは言え、劇中でも特に印象的な雪の中を彷徨う場面では、猛烈な寒さの中を青いワンピース1枚で臨むなど、役者根性もしっかりと見せ付けている。そして「とても幻想的で静寂なとても美しい話ですので、終わった後に皆さんが何を感じていただけるのか、すごく楽しみです」と、本作の魅力をアピールした。
 三池監督は韓国・香港の俊英監督との競作となる本作について、「話をいただいた時から、これは僕が冒険してもいいかなと思える実力派監督たちだったので、今回自分は普段と違う静寂のアートを目指しました。今回の競作は映画祭のコンペとは違い、3本をまぜるとどうなるかということなので、40分1本の作品を普段と違う環境でいかに違うものを作るかということで競うと言うよりも、お互いにこうした機会を手に入れられたということの方が大きいですね」とコメント。また、映画初主演となった長谷川に対しては、「映画だけをやっている人間からすると、様々な分野で活躍されている長谷川さんに、映画で他では表現できない何かを表現できるという興味を持ってもらえるかどうかが、監督としての責任であり、そのために一生懸命コミュニケーションを取りました。あまり話があうようには、見えないですけど(笑)」と、語った。
 なお、『美しい夜、残酷な朝』は2005年5月14日よりVIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズにて先行ロードショー、6月4日より全国公開!

(殿井君人)

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美しい夜、残酷な朝
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