モンゴル高原の大自然を背景に、母親に捨てられ失語症に陥ってしまった少年と、彼を育てることになった草原に暮らす男女が、次第に心の絆を築いていく姿を描いた癒しの物語『天上草原』が、現在ロードショー公開中だ。本作の公開を記念し上映劇場である東京都写真美術館では、モンゴル文化をより身近に感じさせてくれる様々なイベントも併せて開催中だ。
 3月26日には、内モンゴル相撲の力士、トクタホ氏(1枚目画像左側)、ブンコウ氏(1枚目画像右側)が来場した。トクタホ氏のお話によれば、モンゴル相撲には土俵が無く、押した方が勝者になり、また相手の力士がつけている牛革製のベルトから下に触れることはとても不名誉な負けになるとのこと。また技の種類も多く、特に足技が多いのが特徴で、それ故に力士は牛革製の靴を着用して試合に臨むのだそうだ。モンゴル相撲では、3度続けて優勝することで漸く日本で言う横綱として認められる。ブンコウ氏が首から下げているものは、“チェンガー”と呼ばれる横綱の印であり、色とりどりの布は1勝するごとに、1枚づつつけていくとのこと。
 ルール等の解説に続き、ブンコウ氏が実際の試合時の入場の儀式“鷹の舞”を披露、またトクタホ氏と試合を実演し、舞うような動きと技の応酬で、観客を興奮させてくれた。
 なお、今後のイベントとしては、
 4月2日(土)映画に出てくるモンゴル豆知識 トーク米山毬子(NPOリ・アース代表)
 4月3日(日)馬頭琴コンサート(日程調整中)
 4月16日(土)ホーミーコンサート
等が開催予定。また上映期間中劇場ロビーには、ゲル(移動用住居)、モンゴル衣装、馬頭琴、靴などモンゴル文化を表すグッズを展示したモンゴル村が併設されており、その場でモンゴル衣装を着用して写真を撮ることもできる(チケット半券提示者対象)。なお、『天上草原』は東京都写真美術館にてロードショー公開中!
(殿井君人)

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