今でも多くのファンを魅了してやまない円谷プロの特撮テレビシリーズを、魅惑のヒロインたちから追ったDVD『ウルトラヒロイン伝説 女神たちの競演』が、ジェネオン エンターテインメントより現在好評発売中だ。このソフトの発売を記念したスペシャル・イベントが、3月5日にHMV新宿SOUTHにて開催された。当日のゲストは、66年『ウルトラQ』の江戸川由利子ちゃん&『ウルトラマン』フジアキコ隊員役で名実と共に初代ウルトラヒロインである桜井浩子と、72年『ウルトラマンA』で南夕子隊員を演じ、月の世界から33年ぶりに地球に舞い戻ってくれた星光子のお二人。開場を埋め尽くした新旧ファンの前で、撮影当時を振り返っての楽しいトークやサイン会が開催された。

 サイン会終了後、お二人はあらためて現在の心境を語った。星は、「丁度1年位前に、今回のDVDの発売も含めまして、南夕子さんということでお仕事のお話をいただきまして、その時はとてもびっくりすると同時にとても迷いました。私は二度と星光子という名前で出てくることはないと、とってもノンビリと好きなお芝居をして暮してきましたものですから、正直心の中で色々葛藤がありました。でも、結果的にこういう形で出させていただいて、今はとてもよかったと思ってます。私は今でも、こんなに南夕子さんを応援してくださる方がいらっしゃることを全く知りませんでしたし、そういったことを教えていただけただけでもとても嬉しかったです。私自身の気持ちも色々変わってきて、それでも今は未だ揺れ動いてる時なんです。私はAで月に帰った時点で、二度とAのことは思い出さない。星光子の名前も捨てるというつもりで、全てを忘れるつもりで生きてきました。でも、この半年間の間に、それまで自分で気づかなかったAに対する気持ち、南夕子さんへの思いなどを知ることができまして、本当によかったなと思っています。Aの現場は、私にとって本当に辛い現場でした。なるべく近い将来に、その頃の私の気持ちに関してもお話できる機会を持たせてもらえればいいなと思っています。今日はありがとうございました」と、戸惑いは隠せぬものの、未だ多くのファンに支持されていることに感極まった表情を見せた。

 一方で初代ヒロインの貫禄も充分の桜井は、「星さんが今言われた言葉は、数年前の私です。出てくるべきなのかなぁ…と思っていたりもしたんですが、40年近く経っているのに皆さんがこうして、ウルトラのために心をこめ続けてくださったので、今は全く悩んでおりません。一応元祖の先輩なので、今はサクサクとウルトラのために諸先輩や若い人たち、そして星さんやアンヌも含めて全員がそろうといいなと思います。今しかないかもしれないからね(笑)」と優しくフォロー。ノスタルジーに留まらない、新たなウルトラへの期待を充分に感じさせてくれたのだった。

 なおHMVでは6月にHMV渋谷店で、「ウルトラマンコレクターズBOX」発売記念イベントを開催予定。詳細は、下記HMV頁での今後の告知をチェックして欲しい。
(殿井君人)

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