2004年のベネチア映画祭、本年度アカデミー賞外国語映画賞受賞に輝いた『海を飛ぶ夢』のアレハンドロ・アメナーバル監督が来日、都内で記者会見を開催した。
アレハンドロ・アメナーバル監督といえば、「オープンユアアイズ」「アザーズ」など話題作を作り、生と死をテーマに描いてきた、本作でも、20歳代の主人公が事故にあい、女性との関係、ラブストーリーを描いている。
記者会見では、以下のようなコメントを語っている。
−−−「オープンユアアイズ」「アザーズ」など生と死をテーマにした作品が多いですが、監督ご自身の生死感が作品に反映されたことは?
尊厳死というものをモチーフにした作品ですが、それはあまり重要ではありません。むしろ人間というものは、いつしか死ぬものであり、人間が死とどう相対するかということには興味を持ちました。生活していく中で、自分はどう考えるか、題材として面白いと思いました。

−−−作品の中で描かれるファンタジーな描写がありますが、監督の込められた思いは?
ラモンが見る夢の飛ぶシーンは、ラモンが飛ぶというよりむしろ観客自身が飛んでいると錯覚するようにリアリズムを求めました。ヘリでの空撮は、実際ラモンの暮らしていた場所を選び、音楽とシンクロするように、スピードを調整することを心掛けました。

−−−アカデミー賞受賞の感想は?アカデミー賞自体への感想は?
受賞式当日は、気を張っていたので、ナーバスでした。受賞後はとてもリラックスできました。作品が認められたことは嬉しく思います。嬉しくはありますが、その事自体にあまり重きを置いていません。しかし、リスペクトはしています。友人たちは、受賞後家を訪ねてくれますが、オスカー像の方へ行ってしまいます(笑)。

−−−オスカー像はどこに置いていますか?
夕食の際は、テーブルの上、お風呂へ入る際は、バスルームに置いています(笑)。

−−−次回作は?過去に3本ものサスペンス映画を撮っていますが。
全て忘れて新作に取り組むので、過去の作品はあまり関係ありません。情熱を持った作品を作る、そのことが旅となれば良いと思っています。
(yas)

4月16(土)より日比谷シャンテシネ他 全国ロードショー

□作品紹介
『海を飛ぶ夢』