稲川淳二が語る実話を基にした3つのエピソードからなる怪談オムニバス、『稲川淳二・あなたの隣の恐い話』シリーズの最新第3弾が完成した。蒲田のバーに出没する幽霊、無人のアパートで暮すことになった専門学校生が体験する奇妙な出来事、そしてタクシー運転手が乗せた若い夫婦による奇跡の愛のファンタジー。そこで紡ぎだされる物語は、世界最恐ともいわれるJホラー全盛の中、どこか懐かしくも不思議なテイストに満ちたものんあっている。
 公開初日の2月26日、UPLINK FACTORYでは本作のファースト・エピソード『蒲田の女』で“謎の女”に扮した安藤希、不可思議な体験をする酔客を演じた内浦純一、バーのッマを演じた渡辺美佐、そして全3話からなる本作を監督した関顕嗣監督が来場し、ファンの熱狂の中舞台挨拶を行った。
 
安藤希——今回は台詞がない役だったので、冷静な動きや瞬きをしないなどの所作に苦労しました。凄く目が悪いので、本当はコンタクトが必要なんですが、普段は面倒なのでしてません。でも、お仕事では怯えさせる方の役が多いので(笑)仕事ではよくカラーコンタクトを着用します。でも今回の白は初めてで、視界がものすごく狭くなってしまうので、霧に包まれているような感じでの撮影でした。

内浦純一——僕はすごい恐がりで、霊感とかはほとんどないんですけど、本作の前に『冬の幽霊たち〜ウィンターゴースト〜』というコメディホラー作品を全篇夕張でロケした時に、撮影初日空港から夕張まで4台くらいの車に分乗して移動したんですよ。その時はすごい雪で、僕達の前の車が崖から落ちちゃったんですよ。3・4回転して落ちた先が、墓場だったんです。でもみな怪我は軽くすんだので、きっと幽霊が守ってくれたんだなって(笑)。

渡辺美佐——スプラッター系は苦手なんですけど、心理的なホラーは結構好きですね。作品としては、『アザーズ』や『シャイニング』。日本のは生々しくって恐すぎちゃって、あまり見れないですね。霊感とかは、自分では全然強いとは思ってないのですが、友人の感じやすい人に言わせると本来強いものをもっているんだそうです。彼女に言わせれば、私の前世はシャーマンだったことがあって、その時に大きな失敗をしたことにより、能力を封じられているんだとか。開こうと思えば開くらしいんですが、開こうとは思ってません。恐いです(笑)。

関顕嗣監督——気がついたら僕がやっているのはホラーばっかりなんですよ。脚本家時代からはじまってほとんどがホラーやファンタジーで、なんでなんだろうとずっと自分で思っていたんですが、気がついたら10代20代の頃からお化け話が大好きでしたしね。ホラーの現場は、実際にいろいろありますよ。テープが止まったり、電源がなくなったりってことはちょくちょく起りますし。僕は霊というのはいるものだと思ってるんですが、稲川さんが語られてその時に共鳴されている霊がいると思うんですが、それを揶揄しちゃいけないし、かついかにフィクションをいれていくかが今回の僕の課題でしたが、撮影はうまくいったと思います。おれも渡辺さんのオーラのおかげじゃないかな(笑)。

 なお、『稲川淳二・あなたの隣の恐い話 夏の怪』は2005年3月4日までUPLINK FACTORYにて上映中。なお、2月28日から3月4日までは、シリーズの前作にあたる“春の怪”(15:00)、“冬の怪”(17:00)も同時公開されるほか、27日以降も下記のとおりイベントが盛りだくさんだ。
(殿井君人)

舞台挨拶スケジュール
2月27日(日)13:00の回上映後/15:00の回上映前
  桂亜沙美、大蔵淳子、工藤あさぎ、関顕嗣監督
2月28日(月)19:00の回上映前
  たなかえり、関顕嗣監督
3月1日(火)19:00の回上映前
  舞、町野弘幸(脚本)、関顕嗣監督
3月2日(水)19:00の回上映前
  渡辺美佐、関顕嗣監督
3月3日(木)15:00“春の怪”上映前
  三津谷葉子(予定)、木下ほうか、(予定)、金田敏監督、三木和史監督、小村孝裕監督、小暮宏(脚本)
3月3日(木)17:00“冬の怪”上映前
  大槻修治、川屋せっちん、金田敏監督、三木和史監督、小暮宏(脚本)