井筒和幸監督最新作『パッチギ!』の公開を記念して、1月19日夜「フォークライブ&シネマナイト」が開催された。1968年が舞台である本作で登場する「イムジン河」「悲しくてやりきれない」など当時の話題曲、流行曲をミニライブで演奏するというもの。壇上に登場したのは井筒監督を始めとする『パッチギ!』と深く関わるメンバー。『パッチギ!』の音楽を担当し、60年代に絶大な人気を誇ったフォーク・クルセダーズのオリジナルメンバー加藤和彦さん、「イムジン河」日本語訳を担当し、本作の原案本「少年Mのイムジン河」の著書でもある松山猛さん、オダギリジョーさん扮する“坂崎”のモデルとなったアルフィーの坂崎幸之助さん、そして本作に「ぜひ出演したかった!」と話すソニンさんという豪華な面々でミニライブとトークショーが試写上映後に行われた。
 
 『パッチギ!』のサントラで欠かせないのが、メインテーマである「イムジン河」。1968年に直前にレコード発売中止となり、数奇な運命を辿ったこの曲が話題になると、「韓国のレコード屋の店員が日本の歌を知ってると言って、歌ったのが「イムジン河」だった。北朝鮮の歌を日本を通して、韓国の人が歌うという不思議。歌の力はすごい」(松山さん)、「レコード発売が中止になっても、(皆が知っていて)歌える歌は珍しい」(加藤さん)、「けど歌わなくなることが一番いいんやなあって。いまだに歌われているからね」(井筒監督)、「この曲については一度自分の中でけじめがついたと思ったんですけど、「イムジン河」が映画になって、まだあったか!って感じです(笑)」(坂崎さん)とそれぞれ熱く語った。

 ミニライブでは全員で「イムジン河」「悲しくてやりきれない」を披露したほか、ソニンさんがソロでハングルバージョン「アイ・ラブ・ユー」を熱唱。そして、急遽参加となった『パッチギ!』主演の塩谷瞬さんと、沢尻エリカさんを加えてもう一度「イムジン河」を歌い、最後は、総立ちとなったお客さんと共にエンディングテーマ「あのすばらしい愛をもう一度」を歌った。

 熱い語りに交え、名曲を生で楽しめるという贅沢なイベントとなったフォークライブ&シネマナイト。最後に「あのすばらしい愛をもう一度」を歌う時には、会場に一体感が生まれていた。「歌の力はすごい」。トークショーの中で松山さんが語った言葉を実感した夜だった。
(山本)

☆『パッチギ!』は1月22日よりシネカノン有楽町、アミューズCQN他にて全国ロードショー!

□作品紹介
『パッチギ!』