18日夜、井筒監督最新作『パッチギ!』の特別上映会が、東京大学学生及び都内大学生約600名を招いて東京大学駒場キャンパスの講堂にて開催された。上映後には井筒和幸監督と姜尚中教授の対談も実現するとあって、会場は超満員!『パッチギ!』の舞台は1968年、激動の年の京都。対立関係にある府立高校と朝鮮学校の高校生たちの恋や友情や若さゆえの葛藤を、時に愉快に時に切なく、また時に鋭く時に柔らかく映し出し、お互いの国の間に在る深い溝を目の当たりにしながらも 前に進んでいく若者たちの姿が眩しい、傑作の感動青春映画だ。

 上映後、学生たちに盛大な拍手で迎え入れられ監督と教授が登壇。監督は「学生時代に戻ったような気分!これからの日本を担う人たちを見ると、69年や70年が昨日のよう」と嬉しそう。『ゲロッパ』の脚本を書いていた頃に李鳳宇プロデューサーから「面白いから読んでみて」と松山猛著「少年Mのイムジン河」を渡されたという企画の話、自らの学生時代の話、時代背景等を、さながら“講義”のように丁寧に語り、時間はあっという間に過ぎていく。
 劇中に登場する、「イムジン河」という朝鮮半島を分断する38度線を流れる河の名がついた、南北分断の哀しみを歌っている歌が印象的だが、これは当時は“歌ってはいけない歌”とされていた。「“今だ”と思った。この歌を自由に唄える“今”だからこそ、映像と物語にできる。映画を作るとは衝動だからね」と監督。映画を観て泣いたという教授も「非常にパワーのある映画。当時の若い人たちのやるせない気持ちを表している。しかもフォークソングで締めくくっており、じめじめしていないところがいい。朝鮮・韓国・日本の関係を語ることは難しいにもかかわらず、巧く表現できる映像に嫉妬さえする。ここまでは文字では表せない」と絶賛する。また「この映画は日本と朝鮮・韓国との“イムジン河”を越えられることを教えてくれる。単なるノスタルジーでなく力を与えてくれる。日本の青春映画として長く語り継がれると思う」と続ける。

「無知だと辛い。知らないのは罪。でも、これから知っていけばいいことなんだ。知ることで、人生一歩前に進めるんだ」と監督が力強く語る。そして「今日君らは“青春の1単位”をとれたよね。だから、前に一歩進んだんだよ。青春とは、知っていくことだ」と、今度は優しく笑いかける。最後のメッセージとして、教授からは「夢をもとう!」、監督からは「若い人に期待しています」との言葉が贈られた。

 監督の姿と言葉、また観賞後の爽やかな感動と余韻ののちに湧き上がる“知りたい気持ち”は、学生たちを動かすきっかけとなるに違いない。『パッチギ!』を観れば、きっと誰もが“青春の1単位”が井筒監督から得られることだろう。この映画は、とにかく必見!!“世界は、愛で変えられる!”
(村松美和)

■『パッチギ!』は1月22日よりシネカノン有楽町、アミューズCQN他にて全国ロードショー!

□作品紹介
『パッチギ!』