今からおよそ2300年前という遥か昔、史上初の世界統一を成し遂げたマケドニア王アレキサンダー。その波乱万丈の32年の生涯に隠されたミステリーに迫り壮大なスケールで描いた歴史超大作『アレキサンダー』。総制作費200億円、アメリカ・アジア・ヨーロッパ・アフリカの四大陸をまたにかけて偉大な王アレキサンダーをフィルムに映し出した監督は、『プラトーン』『JFK』『7月4日に生まれて』など現代社会の裏側に潜む真実を暴き続けるアカデミー賞監督オリバー・ストーン。アレキサンダー役にコリン・ファレル、その母役にアンジェリーナ・ジョリー、父役にヴァル・キルマー、王の部下プトレマイオス役にアンソニー・ホプキンス。アカデミー賞受賞の豪華・キャストが集まった。

 14日、監督と日本初来日となるコリン・ファレルが新宿パークタワーホールにて会見を開いた。アレキサンダーに少年の頃から憧れていたという監督は「彼は単なる征服者でも搾取者でもない。ギリシャ悲劇をよく読み傾倒していたそうだが、自身が人生の中でそれを体験したのでは」と言う。また「今の視点でなく、2300年前という気持ちで観てもらいたい。当時は今とは“闘い”の意味が違っていたと思う。そして何より、描かれていることすべてが32歳より若い時の出来事であるということを忘れないでほしい」とも。
 コリンは「王の資料を読み、演じ、不思議なくらい身近に感じることが出来た。彼について特筆すべきことは、彼が征服した国の文化を抹殺するのではなく取り入れていったこと。それは彼が人間を愛していたからだと思う」とアレキサンダーに敬意を表し、「撮影はつらい経験だったし大変だった。学んだのは、情熱、真実、威厳、誇りが人生には必要だということ。戦闘シーンは最高峰だと自負している」と述べた。またアンジェリーナ・ジョリーとの共演については「10ヶ月しか歳が離れていない彼女が母親役というのには驚いた(笑)存在感があるし、素晴らしい女優だ。想像以上に親子関係を上手く描けたと思う」と賛辞を贈る。

 17ヶ月の息子の話をしてパパの顔を見せたり、「(スカートのような)衣装は風通しが良かったので 馬に乗る時は特に気を使った」などとお茶目にエピソードを語るコリンと、にこにこと優しい笑顔を絶やさない監督。和やかな会見であった。『グラディエーター』『トロイ』とはまた違い、闘い続ける者の内面にまで深く入り込みながら史実に迫っている本作。その描写は、やはりオリバー・ストーンならでは。アレキサンダー王の謎とは…?公開まで、今しばらくお待ちを!
(村松美和)

■『アレキサンダー』は、2005年2月5日より丸の内ピカデリー1ほか全国ロードショー!

□作品紹介
『アレキサンダー』