いよいよ本日から封切りとなった『2番目の彼女』。「これがインディーズムービー?」と思ってしまうくらい、もちろん良い意味での驚きを隠せない65分。モチーフこそ三角関係と恋愛映画の王道をいくものの、あなどってはいけません。その演出がとってもユニーク!涙を誘うような美しいラブストーリーや昼ドラよろしくドロドロな愛憎劇とはまた全く違った角度から“人を想う気持ち”を描いている、新しい恋愛映画なのだ。

 人気脚本家として評判高い大森美香監督、本作が初主演となる北村有起哉さん(小説家志望の“彼・草野”)、前田綾花さん(「2番目でいいから付き合って」と草野を翻弄する“2番目の彼女・ゆきの”)、岡元夕紀子さん(パーフェクトな“彼女・ゆきこ”)、ヒップホップグループKICK THE CAN CREWのMCUさん(草野の親友で売れっ子脚本家・有栖川)のメインキャストが揃い、本編の上映後、川田希さん(キャスティング担当。劇中劇3のヒロインとしても出演)をMCに満員御礼の渋谷シネ・ラ・セットにて、初日舞台挨拶を行った。

 「私としては、ベストな方々に集まって頂いて出来上がった映画だと思います。北村さんもMCUさんもあてがきですし、役や台詞に皆さんの個性を生かした感じです」と大森監督。前田さんが「ゆきの役はすごくやりやすくて、自然にできたと思います」と述べるとお客さんから温かい拍手が起こり、岡元さんは「ゆきこは現実をよく見ている女の子ですね。“家族”がすっごく面白くて大変でした(笑)。モニターを見ながらくすくすと笑っている監督の姿を、よく覚えてます」と和やかな撮影現場の雰囲気を思わせるコメント。「有栖川って名前がかっこよくてピッタリなんて思っていたけど、完成したのを観てみたら、なんか印象イヤなやつだったりしますね(笑)。歌詞を覚えるのと台詞を覚えるのとはまた違いました」と言う映画初出演のMCUさんに「でも、ほんとNG少なかったですよ」と監督からお褒めの言葉も。
 と、ここで、現在公演中の舞台を終えて(!)駆けつけた主演の北村さんが登場。「監督と楽しくやろうと思って演じました。共演者にも恵まれました。同世代の人たちの多い現場でしたけど、ケジメのある友達感覚で作れたと思います」と撮影を振り返る。さらにMCUさんの、奥様に見守られての初めてのキスシーン話、衣装と間違って北村さんのパンツを穿いて撮影に臨んだという前田さんのハプニング話など次々と面白いエピソードが披露されたり、ゆきこの弟役の藤井宏之さんとライター役の加藤大賀さんが、『2番目の彼女』オリジナルTシャツとパンフレットの宣伝に登場する場面もあったりで、時間はあっという間に過ぎてしまった。

 柏原収ニさん、水橋研二さん、半田健人さん、 弓削智久さん、 岩崎ひろみさんなど出演者は多く、その数なんと36人!それぞれのキャラは濃くて愉快。最初の企画段階では7人の登場人物しか居なかったというから、ここまでの大所帯に仕上げた大森監督やスタッフの人脈にもびっくり。公開中トークショーがどしどし催される予定なので、ぜひ劇場に足を運んで楽しい時間を過ごしてください。大森監督の活躍には、今後も注目です。
(村松美和)

■『2番目の彼女』は、本日11月27日より渋谷シネ・ラ・セットにてレイトショー!ほか全国順次公開

大森美香監督インタビュー

主演:北村有起哉インタビュー

□作品紹介
『2番目の彼女』