本日、『柔道龍虎榜』を監督したジョニー・トー氏を招き、ティーチ・インが行われた。

Q.題材を柔道にした訳は?また、香港ではポピュラーなスポーツなのですか?
「柔道を通して男の生き方を映画で伝えたかったからです。
転んでもすぐ立ち直るというのが、人生と似ている気がして。若者にとって大事な題材だと思います。
また、香港では昔は日本のドラマをTVでやっていて柔道も人気がありましたが、最近はそれ程でもなくなって来ています。それと私は黒澤明監督をとても尊敬していて、『姿三四郎』をオマージュして本作を作ったのですが香港で公開されるも『姿三四郎』を知らない若者が多いと言う事もあり、かなり苦戦しましたね。撮影は、私の場合脚本を完璧に仕上げて取り組む方ではないので、現場へ行ってその場で何度も書き直しそれに応じたストーリーに変更していくことも多かったです。」

Q.監督は多作家で数多くの作品を生み出しているが、もし1年間撮影期間与えられたらどうしますか?また、映画をバリバリ撮れるバイタリティの秘訣は?
「1年間製作スパンもらえたら、本当に自分が撮りたい映画を撮るのが夢です、今はその機会を待っているところです。
あと、バイタリティの秘訣という事ですが、私が映画を撮るというのは趣味なのです。365日映画を撮っていると思います。まあ、人生エンジョイしているんでしょうね。体力あるうちに映画の奥深さをもっと追求していきたい。その為には絶えず作っていかなきゃいけないのです。」

“黒澤明に捧ぐ”との献辞が最後に現れる本作『柔道龍虎榜』は、『姿三四郎』(43)へのオマージュであると同時に、1960年代の日活や東映のプログラム・ピクチャーを思い起こさせるシーンに満ち溢れている。昼の撮影は人通りが多く規制もかかってしまうという理由で、作品の多くを占めて夜間撮影が行われたが、そちらも素晴らしい。
(菅野奈緒美)