TIFF2004にいち早く登場したのは、『少林サッカー』で日本中を席巻したチャウ・シンチー監督の最新作『カンフーハッスル』!前作を凌ぐCGを駆使したハイテンションな「ありえねー。」映像と、シンチーのカンフーそして映画への愛がたっぷり詰まったこの作品。オーチャードホールでの上映前にはレッドカーペットで観衆にたっぷりとスマイルをサービスしたあと舞台挨拶を行った。そしてその後すぐ、六本木会場の六本木ヒルズアリーナに登場し、記者会見が行われた。
 前回との違いは?との問いに「この作品は本物のカンフー映画。」とシンチー監督。そうなのだ、元々映画スターになる以前にカンフーマスターを目指していたシンチーは、多くの映画ファン同様ブルース・リーに啓示を受けたクリエイターの一人。その彼が満を持して製作したこの作品はエンターテイメント作品であると同時に、現在の技術をミックスさせながら彼が作り出した新しいカンフー映画。かつてのカンフー映画の系譜につらなるという意味で「本物のカンフー映画」という発言が出たのであろう。また、往年のカンフー映画スターたちが多数出演していることからもマニアには涙ものなのだ。それと同時に多くの新人俳優も起用している。「共演者の多くが初共演でした。新人も多く、でもよくトレーニングしてがんばってくれましたね。もう少しで僕と同じくらいのレベルに届きそうなくらい(笑)」。
会場では六本木だけでなく、大阪での上映会場とも中継でつながっており、そちらからの質問も受け付けられた。「日本の漫画やアニメで好きなものは?」という問い、「ドラえもんとドラゴンボール。」と答え、理由を「面白いから」と簡潔な一言で述べ、笑いを誘った。しかし、これでいいのだ。シンプル・イズ・ベスト。“面白い”ただこの1点を目指して多くの映画製作者たちは栄光と挫折を重ね、涙ぐましい努力を重ねてきた。“面白い”こそが一番単純で一番難しいもの。「ありえねー。」から面白い!『カンフーハッスル』にこうご期待!
(綿野)

☆『カンフーハッスル』は2005年1月15日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

□作品紹介
『カンフー・ハッスル』

□東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/index_j.html