本日『マシニスト』記者会見が行われ、会場には監督のブラッド・アンダーソン氏が姿を見せた。今回初来日ということだが、とても活発な方のようで日本に着いてすぐ一人で電車に乗りタワーレコードへ向かい、そこで自分が大好きなブラジル音楽のCDを15枚程購入したという。
「東京に来れて嬉しいです。妻に一緒に日本に住もうと言いたくなる位日本を好きになりました。」 と挨拶する位本当に日本を気に入ってくれたようだ。
Q.映画化するまでのいきさつは?
ブラッド:「本作は私が監督する作品としては5本目です。脚本は今まで共同脚本や自分で脚本執筆していたものばかりだったので、他人の脚本のものをやりたいと思っていたんです。そんな時本作の脚本と出会い、読んだ瞬間ストーリー、キャラクター、雰囲気、全てに惚れこみクリスチャン・ベイルとの出会いもあってアメリカで製作しようと思いましたが、アメリカでは大きなリスクが伴うものには資金援助出来ないという事で、スペインでの製作となりました。」

Q.スペインで撮ったという事ですが、利点はありましたか?
ブラッド:「本作はアメリカが舞台なので、スペインで撮れるのか?と思いましたが、私は撮影場所はありきたりであまり個性がないロケ地を探していてスペインにはそれがありました。ロスなら逆に見つけられなかったのでは、と思っているので結果的には良かったです。」

Q.主演のクリスチャン・ベイルは本作の役作りの為に30㎏も減量したという事については?
ブラッド:「イメージ的には主人公クリスチャン・ベイル演じるトレバーは“歩くガイコツ”という事にはなっているが、まさかあそこまでクリスチャン自ら減量するとは思わなかった。しかし、撮影中には彼の奥さんも来ていて、私も奥さんの表情見ながら撮影していたが大丈夫そうでしたね。それに、クリスチャン自身「自分の限界は超えない。」と言っていたので。彼はそれを楽しんでいたようです。スクリーンでは辛そうに映っていますが、あれは全て演技という事です。良い芸術には、それなりの苦労は付き物ですからね。」

Q.次回作の予定は?
ブラッド:「現在温めている企画は2つあります。1つはダークな作品でうまくいけば今冬撮影に入れます、もう1つはかわいいミュージカル作品で、こちらは脚本書き終わったところです。」

クリスチャン・ベイルは撮影終了後、次回作に『バッドマン』最新作の撮影が控えていた為、一気に(二ヶ月程で)体重を元に戻したという。本作のラストシーンは主人公トレバーが、フラッシュバックで不眠症になる前の自分を見るというシーンがあったが、もちろんその部分は普通の体なのでクリスチャンが体を元に戻してから撮影が行われたとの裏話も出た。それと、なんとブラッド監督は撮影前バルセロナのマラソンに参加し、足の腱を切ってしまい松葉杖で監督の仕事を…しかも、その後松葉杖が離れたと思ったら腰も痛めてしまいマットの上で水平に横たわりながら監督業を勤めたというから驚きだ。
そんな監督と、体重を自由自在に操り、見事“歩くガイコツ”を強烈な演技で表現したクリスチャン・ベイルの『マニシスト』。この刺激を体感せずには眠れない。

人間の想像を越えた限界点から始まる物語はいったいどこへ帰着するのか?365日目からの未体験ショック・ムービー『マニシスト』は、2005年正月第ニ弾 衝撃のロードショー!
(菅野奈緒美)

□作品紹介
『マシニスト』