「たった一つの命を捨てて、生まれ変わった不死身の体。鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば誰がやる。」
‘73年からTV放送され、人気を博したタツノコプロのアニメ『新造人間キャシャーン』を、現在クリエイターとしても注目されている映画監督、紀里谷和明氏が実写映画化した『CASSHERN』。「人間はなぜ争うのか?」という重く普遍的なテーマを、エンタテインメント性豊かな映像世界で描き出した本作は、豪華キャストによる熱演と、各分野のクリエイターによる技術が見事に集結した見どころ満載の作品である。

本日、『CASSHERN』のDVD発売記念スペシャルイベントがHMV渋谷で行われた。会場には監督の紀里谷和明氏が登壇し、コメントを頂いた。
第一声は「こんなに人が集まるなんて思っていなかったからこんな汚い格好で来てしまい少し後悔してます。さて、『CASSHERN』のDVDも23日に発売され好調な滑り出しです。まだ観てない方はぜひ購入して見てみて下さい。」と紹介。こちらは、世界26カ国の全米公開が既に決定している。これに対しては「作った時は海外向けなんて全く考えていなかったんですよ。日本向けに日本のスタッフとで作りました。そうしたらいつの間にか海外からの反響すごくてオファーが来たり。今回もオファーを頂き、ドリームワークス配給でやる事になったんです。」
「アメリカ版はただ長いものを短くカットしただけでなく、自分は常に新しいものやっていきたいから再編集して未公開映像も入れました。DVDに関しては何度も見れる、所有してもらえる、10年後まだDVDあるならその時も変わらず喜んで見てもらえるようにしたいという意識で作りました。」と真剣な眼差しで語る。そして、こんな事も話していた。「『CASSHERN』は最初『ターミネーター』のような娯楽大作作るつもりでいたんです。でも、やっている内に沢山の人達が関わり、皆死に物狂いでがんばっているのにこのまま本当にエンタテインメントで終わらせて良いのか?という気になったのです。そこで、歴史に残るような、この先ずっと愛されるようなものを作りたい!作らないと!と思ったんです。あれだけ大変な思いしたのだから、何度も言うようだけど残って欲しい!ただそれだけです。」この熱い思いが会場にいる皆に伝染するかのように伝わっていくのが分かった。皆まっすぐ紀里谷氏を見つめて真剣に話を聞いていた。
そんな紀里谷氏、今後の活動としては「今は映像クリエイターや写真家や宇多田夫や…笑。いろんな肩書きもっているけど、本作で監督と言う肩書きも持って、それがなんかすごくしっくり来る。だから願わくばずっと映画やっていきたいし、願わくば世界中の人達に文化とか超越したとこでのものを作りたいです。」と夢、いや野望を話し次回作については実は今製作途中の作品があるとのお言葉!まだ何も話せないがぜひ、皆さん乞うご期待と言った感じらしい。次はどんな世界を見せてくれるのだろう。『CASSHERN』で監督の道を歩み始め素晴らしい才能を開花させ、世界でも認められつつある紀里谷和明監督に大いに期待しよう。
(菅野奈緒美)

□作品紹介
CASSHERN