韓国公開後、わずか1ヶ月で200万人動員!
時代に翻ろうされながらも懸命に生きた父親の共感と涙。
1960年代韓国、圧制の時代。ある日突然、大統領の理髪師に指名された平凡なひとりの床屋。激動の歴史に翻弄された親子3人の情愛を、時にコミカルに、時に感動的に描いた、本国で200万人動員の涙の物語。
大きな体で小心者の床屋をコミカルに演じるのは、韓国を代表する逸材ソン・ガンホ。(『JSA』『殺人の追憶』)。その妻には、イ・チャンドン監督の『ペパーミント・キャンディー』で映画デビューを飾り、『オアシス』の難役で絶賛されたムン・ソリ。そして彼らの息子には『殺人の追憶』の名子役、イ・ジェウン。
本日は、監督のイム・チャンサンが記者会見に臨んだ。

Q.ソン・ガンホ氏との出会いは?
イム「2003年3月に『大統領の理髪師』のシナリオを持って映画制作会社に行って、この床屋役にはソン・ガンホが1番似合っていると伝えました。シナリオ持って行ったのが丁度ソン・ガンホ氏が『殺人の追憶』の後だったんですが、4日後にOK!の連絡が来たのです。これは、韓国では非常に早い決定です。」

Q.プレス(マスコミ用)資料に普通のお父さんの話を作りたかったとあるが、この父親のモデルになった人はいますか?
イム「特にいません。この父親は知識もない、教育もない、名誉もない、政治的力もないといった当時の韓国の一般的で平凡な父像なのです。」

Q.この時代を選んだ理由は?
イム「今の人は当時を知らない人が多いし、60〜70年代なんて忘れられている。だから、今の時代しか知らない人達に関心を持たせたかったのです。そしてこの映画を観る事によって60〜70年代の韓国の近現代史を振り返る機会になってほしいと思います。」

Q.今、日本で騒がれている韓流ブームにはどう思いますか?また、作品作っていく中で意識したり影響を受けたりしますか?
イム「韓国が日本でとても流行っている事はマスコミ通して知っています。でも、特に意識はしていません。本作では60〜70年代の激動の時代を生きた平凡な人たちの話、普通のお父さんの話を撮りたかっただけですから。本作は僕の監督&脚本デビュー作で、TIFFにも初めて来ました。でも本作は特別な時代を描いているのであまり理解はされやすいものではないと思います。次回作はアジアで理解されやすい作品を作りたいと思っています。」

家族の絆を笑いと涙で優しく包み、「父親世代の普通の人々」を愛情込めて描いた感動の名作『大統領の理髪師』は2005年新春、感動のロードショー!
(菅野奈緒美)

□作品紹介
『大統領の理髪師』
■東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/index_j.html