東京国際映画祭2004:コンペティション部門:愛の風が吹いてくる。青春は愛おしい。『ダンデライオン』記者会見
愛の風が小麦畑から吹いてくる。青春は愛おしい。
10代で今の世界には愛がないと、大人になることをためらっている少年メイソン。ある日ダニーという少女に出会って深い絆を感じた彼は、新しい世界が広がっていくのを感じる。そう、愛はいたるところに在ったのだ。
監督はマーク・ミルガード氏。1994年にインディペンデント・レーベル、レイクショア・レコードを共同創設し、多くのアーティストを世に送り出す。また、『シティ・オブ・ゴッド』、“Trick”、『バッファロー‘66』、『白いカラス』等、映画のサウンドトラックの発売も積極的に行っている。2000年から脚本の執筆や監督業に専念するようになったミルガードの『ダンデライオン』は、彼の長編初監督作品となる。
そして主演メイソン演じるヴィンセント・カータイザー氏。本日はこちらお二方を招いての『ダンデライオン』記者会見が行われた。マーク監督は「本作は世界各地で上映されてすごくうれしい。」ヴィンセントは、「東京は素晴らしくすてきな街」と一言ずつ挨拶を述べた。続いて質疑応答。
Q.あなたは早くからこの『ダンデライオン』という作品をTIFFにエントリーしていたようですがなざ沢山映画祭ある中でTIFFを選んだのですか?
マーク監督:「東京、日本というのは私たちにはとても興味深いものなのです。ユニークで独特な雰囲気を持っているて。」
Q.音楽から監督へと転身した理由は?
マーク監督:「音楽は好きだしこれからも愛し続けるよ。でも、それと同時にストーリーも作りたいと思ったんだ。自分に共鳴してもらえるような作品を作りたいよ。」
Q.ヴィンセントをキャスティングした理由は?
マーク監督:「その人のエッセンスや感覚を重要視しているんだ。ヴィンセントは、自然さ、素、信じられる。そういった彼の本質的なところに惹かれ、キャスティングしたよ。とにかくメイソンという役を自然体で演じることが出来るというのが何よりだったんだ。」
Q.撮影場所にアイルランドを選んだ訳は?
マーク監督:「アイルランドには時間を越えた質、孤立した空間、自然の美しさがあったから。」
Q.東京、そして日本に興味を持ったという事だがそれをもっと詳しく教えて。
マーク監督:「日本の文化は、気のしっかりした持ち様の人が多い。人は、優しいし、建築物は構造の作りが美しい。細かい割りに複雑で。」
Q.長編映画は初という事だが、前からあたためていたものか?
マーク監督:「4年前から構想練っていました。今回、自然な形で伝えられ達成できたと思います。」
脚本と初めて監督を務めたマーク・ミルガードは本作で、若者のパワフルな純愛がいかに人を自由にし、癒すかを描いている。またロマンティックな愛、親子愛、そしてプラトニックな愛を詩的に探求しているとの事。
(菅野奈緒美)
□作品紹介
『ダンデライオン』
□東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/index_j.html