第17回東京国際女性映画祭の記者会見が東京ウィメンズプラザで開催された。本日登壇したのは、大竹洋子氏(ディレクター)、小藤田千栄子氏(映画評論家)、高野悦子氏(プロデューサー)、イ・オニ氏、イム・スルレ氏、イ・ヘギョン氏、エロディ・ブシェーズ氏、ヘルマ・サンダース=ブラームス氏、キャサリン・ハードウイック氏、ベアテ・シロタ・ゴードン氏、羽田澄子氏、藤原智子氏、熊谷博子氏といった女性ばかり総勢13名の映画人。
それ以外でも今後期待の若手日本人監督、千田祥子氏『非常ベル』、渡辺直美氏『青春801あり!』も姿を見せ、こちらの若手監督も交えての写真撮影の後、早速会見が始まり一言ずつコメントを寄せた。
何人かのコメントを紹介しよう。まず、キャサリン・ハードウィック監督(『サーティーン』)は「私はこの作品の脚本を13歳の“ニッキー”という少女と一緒に書きました。それで13歳という思春期の時期の悩み、ストレス、母との葛藤といった問題を本作で書き込みました。この映画はシネマセラピーとして観て頂きたいです。」と語った。彼女は本作が監督デビュー作である。次に、イ・オニ監督(『…ing(原題)』)は「観て貰えとても嬉しい。これからも私の映画に声援送って下さい。」と笑顔で述べた。そして「韓国の映画界に女性が出てきた理由としては韓国には国家が支援する映画学校がいくつかあり、そこでは短期間で色々なスキルが学べるようになっているのです。」と語った。日本人監督では藤原監督(『ベテアの贈りもの』)「本作は男女平等を基軸とした作品となっている。そして日本の憲法に女性の人権と男女平等を日本人女性の幸せを願って書き加えようと努力したベアテ・ゴードン・シロタ氏そして周りの人間達を描いた20世紀の世界的視野で捉えた作品です。」と一緒に会見を行っているベアテ氏に向かって述べた。その後「ありがとう。」というベアテ氏の言葉が印象的だった。

ドイツ、フランス、アメリカ、スリランカ、フィリピン、韓国、そして日本の女性監督たちが取り組むテーマは、差別、献身、非行、信頼、友情、母娘の愛などさまざまだが、どの作品にも未来への誠実な願いが込められ、見る者に希望の光を与えてくれるという。そして今年も9カ国15本の素晴らしい女性監督作品が揃ったという事で大いに楽しみである。
これを機に多くの男性方にも、女性が活躍している場というのを感じ取って頂きたいと思う。
(菅野奈緒美)