“少年A”、犯罪の低年齢化が進行し多発する昨今、そうした問題にたいして一義的な答えだけでなく多面的に問題を訴えかけ、誰しもがその当事者であることを提起する『イズ・エー[is A.]』が10月9日渋谷ユーロスペースで公開初日を迎えた。初日舞台挨拶には、出演作多数ありながら今回が初主演となる津田寛治をはじめ、小栗旬、内藤剛志、藤原健一監督が登壇した。
 少年が首謀した無差別爆破事件で最愛の妻を失った主人公・三村役を演じた津田、その少年を演じた小栗、少年の父親役の内藤。3者それぞれの思いが交錯し観る者を圧倒する衝撃の作品に仕上がっている。
 監督の藤原健一は今回が初監督。
「こうした少年犯罪による被害者の方々がどう思うのか。そういう人たちに、作っている側の思いが伝わるように作りました。また、映画としてエンターテインメントに仕上げなければならないことと、リアリティとの間で悩みました。」と語る。
一方津田は初の主演作に賭ける意気込みはなみなみならぬ様子で「命がけ」という言葉まで飛び出した。
「参加するにあたって監督とはかなりの時間をかけて作品について話し合いました。それは僕だけじゃなくて小栗くんにせよ、内藤さんにせよ、カメラマンの方にせよ、みんなが同じレベルで監督と密に話し合い、自分の出演するしないに限らずでした。だから、クランクイン後はみんな気持ちが一つで大変スムーズな現場でした。僕も気がついたら三村(主人公)になっていて、心の中には“怒り”しかありませんでした。」と熱く語る。
すべての元凶となる少年を演じた小栗は、
「(演じ切ってみて)誰が悪いということではないんだな、と思いました。犯罪者=悪ではなく、その少年にしても色々抱えている問題がある。それは親かもしれないし、世間かもしれないし、環境かもしれない。いちがいに言えないことなんです。」
これに関連して、内藤も
「この話は他人事ではなく、被害者にも加害者にも誰もが起こりうること。僕も役を演じているからといってその役のことをすべて理解しているわけではない。そのことについてスタッフ・キャストみんなが“考えつづけた”ということがこの映画なんです。」
とコメントした。
 誰もが衝撃を受ける、というラストシーン。答えのないという答えをあなたはどう受け止めますか?

☆『イズ・エー[is A.]』はユーロスペースにて衝撃のロードショー

□作品紹介
『イズ・エー』