ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリ受賞、ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード企画賞、福岡賞、大分賞受賞など、多くの受賞歴と数々の映画祭で招待作品として上映された『美女缶』。アートな映像とエンターテイメント性のあるストーリーは、自主制作とは思えないほど。10月2日、渋谷シネ・ラ・セットにて2週間限定レイトショーの初日舞台挨拶が行われました。

 小さな劇場は満席となり暖かな空気の中、筧昌也監督、主演の藤川俊生さん、美女役の吉居亜希子さん、彼女役の木村文さん、小沢喬さん、撮影の森克彦さん、録音・音声・音楽の浅田将助さん、水野修一さんが登壇。
 「美女缶」のつくりだすきっかけについて監督は「もともとは大学の課題で集まったチームなんです。それぞれ就職もし、1年ほどたち、何か結果を出していかないかという話になって、当時のショートフィルムブームもあり15分ほどの「美女缶」を作ったのが始まりですね。」と話す。

 役者、撮影、録音・音声の方にそれぞれ当時の話をしていただきました。
・藤川さん:撮影時は大学4年生だったんです。見ている人にどこにでもいる大学生だなと共感されるよう演じました。
・吉居さん:オーディションに受けたんです。選ばれてうれしかったのですが、すごく緊張しましたね。
・木村さん:脚本を読んで主人公の彼女はかわいそうな子だなと思いました。さみしがりやで。
・小沢さん:監督とは小学校から同じなんです。高校3年生から仲良くなりました。この役はいい役で良かったです。
・森さん :3年前は機材が今と違って劣化しているかもしれないです。携帯電話も3年でだいぶ変わりましたよね。当時カメラを集めるのも大変だったんです。
・浅田さん:現場でコンテを描いて始めるのでバタバタした記憶が強いですね。そういった方法もみんなだから出来たと今では思います。
・水野さん:音楽は浅田さんと椎名さんと3人で分担するというめずらしい方法でやりました。出来上がると皆に披露してディスカッションしたんです。

制作過程は筧監督と撮影の森さん、録音・音声・音楽の浅田さん水野さんでのディ
スカッションが何度もあったとこだわりのある撮影現場が伺われました。

最後に見どころはと聞くと、
・浅田さん:最後の方でだんだん静かになってゆくのですが、なにもない音の伝え方が困難でした。是非ここを注目してもらいたいです。
・森さん :吉居さんが登場する場面ですね。撮影でも一番盛り上がりました!全部ですと答える役者の方々に続き監督は
・筧監督 :ジャンルが 恋愛・SF・コメディと、うまく分けられないのですが、ジャンルを決めつけないで観て楽しんでもらいたいと思います!
と笑顔で話す。
 
 監督にとって一番の幸せは賞よりもお客さまからの反応だと語る筧監督。漫画にアニメ、グラフィック映像と多才な能力の持ち主。笑いあり、スリルあり、胸きゅんありの「美女缶」は制作から4年たちようやく映画館で上映!筧監督の「ロス:タイム:ライフ」「ハリコマレ!」も同時上映いたします!

■『美女缶』は、10月15日まで渋谷シネ・ラ・セットにて限定レイトショー中!

(佐藤麻理恵)