日本を代表するカルトホラー漫画の第一人者、日野日出志。原作が英訳され一躍世界に活動の場を広げる伝説の漫画家。これまで腐る体、奇病、奇形児、蛆、思わず目を伏せてしまう絵の数々の中に隠されたメッセージの哀愁を何度も映像化が試みられたが、残念ながら実現しなかった。それが遂に6人の新鋭監督により映画化が実現した。
二夜に分けて上映する第一夜は、中村義洋監督(『仄暗い水の底から』脚本)、安里麻里監督(『リング』脚本、高橋洋監修)、白石晃士監督(『ほんとにあった!呪いのビデオテープシリーズ監督。』)の3人がそれぞれ『わたしの赤ちゃん』、『地獄小僧』、『怪奇!死人少女』を監督した。
 本日は舞台挨拶がテアトル新宿で行われ、ゲストとして日野日出志(原作者)、白石監督、安里監督、高橋洋さん(監修)が登壇した。

日野:「こんなにもホラーのバリエーションがあるのかと感じて欲しい。」
白石:「日野作品の魅力として漫画表現ならではの普通の顔なのに怖い、みたいな。」
「恐怖ではあるがファンタジーな世界で、というか抽象的な世界に惹かれる。そんな日野作品を映像化させてもらえて大変光栄です。」
高田:「この中でリアルタイムで日野作品見てきたのは自分だけじゃないかな?だから今すごく緊張してます。作品は『地獄小僧』選んだが大変でした。笑)以前、安里監督に助監督担当して頂いた事あります。」
安里:「高田さんが言う様に以前の他の作品で助監督に就いていました。普通の作り方では有り得ない。その時のSTAFFがそのまま『地獄小僧』へと流れたんですがその時のホラーは『地獄小僧』撮るうえですごい影響受けました。』」
その時、特別ゲストとして犬木加奈子さん登壇。
犬木:「平成ホラー漫画ブームの時代においては一応ホラー漫画の女優という事で、カルトの帝王(日野さん)は私の裾の方で描いてたが、いつの間にこんな素晴らしい映画作ったの?って感じですよ。ここで一つ、コメントとしては帰るとき良い子のみんなはマネしちゃ駄目ですよ。笑)そしてこんな夜遅くに物好きな方達が来てくれて、、大変感謝しています。」
と発言した。

3作品異なる監督・出演者・作品でそれぞれが強烈な個性を発揮し、日野日出志作品と見事なコラボレーションを見せるこの映画。必見だ!

■『日野日出志のザ・ホラー怪奇劇場』は、10月22日(金)までテアトル池袋他にてレイト・ロードショー!

(菅野奈緒美)