「『超』怖い話」シリーズで人気を博す平山夢明の原作をホラーの名作「富江」の及川中監督がみごとな演出で映画化!「リング」「呪怨」「富江」に続くホラーとして、新たに都会に現る狂気を真の恐怖として描く。
 今月11日初秋ほのかに香るなか渋谷シネ・ラ・セットで初日舞台挨拶が行われた。

 単館映画ならではの温かい空気の中、拍手から現れたのは監督の及川中さん、主演の国分佐智子さん、戦隊ヒーロー出身の谷口賢志さん、中村みずほさん、林侑香さん。及川監督には声があがるほど歓喜のムードに包まれて始まった。
「監督との初の顔合わせはいかがでしたか。」と質問があると「主演は初めてなのでプレッシャーがありましたが、楽しみでした。」と国分さん。一方中村さんは、「初めて会ったときから、初めてのような気がしなく、スタッフ共に皆さん気さくで楽しかったです。」 と、ホラーとは裏腹に撮影のわきあいあいとした空気を伝えた。
 戦隊ヒーロー出身のためか、及川監督曰く、キレた芝居の谷さんは血を流すシーンに熱気が加わり本物の血も流してしまい 「1/3は本物の血ですよ。」と笑いを誘う。その白熱からか、「しばらく役から抜け出せなかった。」と、谷さん。林さんに話がまわると、緊張する林さんにかわり及川監督が助け舟をだし、「僕に一番向かってきたのは林さんです。」と彼女の個性をよく汲み取った冗談のある笑いで林さんにマイクを渡す。「本当に皆に支えられて、いい経験ができました。」と林さんは可愛らしく話す。
 内容にあまり触れずにあらすじの説明をと国分さんは求められ、困惑し、「とりあえず、ホラー…」続けて谷さんも「…ホラー」そして中村さんも「一言でいうと…ホラー」と息の合わせた回答で客席は大笑い。撮影の現場の雰囲気がそのまま表れていた。映画について全員が、恐怖を感じ楽しんでもらいたいと笑顔で話した。

 最後に監督から、「今は自分で自分を守る時代。警察でさえ信用できるのだろうか。そういった恐怖こそ感じてもらいたい。」と話す。現代社会に潜む狂人こそすぐ自分の身の回りにいるのではないかと提言する。この話しが実話をモデルにしているということが見えない恐怖を喚起させるのではないだろうか。
(佐藤麻里恵)

■『東京伝説/蠢く街の狂気』は、渋谷シネ・ラ・セットにてレイトショー公開中!

□作品紹介 東京伝説 蠢く街の狂気